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第1話

KAITO兄がなぜかセカイ共通で色んな人の通知を変えたその後の話。
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2026/05/10 13:09 更新
雨の音だけが響くセカイだった。

青く薄暗い教室の中央で、KAITOは机に突っ伏していた。

「……もう無理」

ぼそり、と呟く。

だが返事はない。

誰もいないからだ。

「ミクー……」
「司くーん……」
「彰人ぉ……」

呼んでも誰も来ない。

なぜなら今日は“誰にも構ってもらえない日”だった。

原因は単純。

昨日、KAITOがノリで全員のスマホの通知音を「ハァイ☆」という自分のボイスに変えたからである。

朝。

学校。

ライブハウス。

ワンダーステージ。

どこでも突然、

『ハァイ☆』

『ハァイ☆』

『ハァイ☆』

と鳴り響いた。

当然、全員ブチギレた。

「いやぁ、あれは流石に怒られるって……」

初音ミクが苦笑する。

「でも面白かったよ?」

天馬司は腹を抱えて笑っていた。

「オレの授業中に鳴った時は死ぬかと思ったけどな!!」

一方、東雲彰人は真顔だった。

「俺、バイト先で鳴った」

「……ご愁傷様」

その頃KAITOは。

教室の隅で体育座りしていた。

「みんな冷たい……」

すると突然、扉が開く。

ガラッ。

「……何してんの?」

現れたのは宵崎奏だった。

KAITOは勢いよく顔を上げる。

「かなでぇぇぇぇぇ!!!」

「うわっ」

「会いに来てくれたの!?」
「許してくれるの!?」
「愛してる!!」

「いや怖い怖い怖い」

奏は少し引いた。

だが次の瞬間。

『ハァイ☆』

奏のスマホが鳴った。

空気が止まる。

KAITOも止まる。

奏、無言。

KAITO、冷や汗。

「……まだ解除してなかったんだ」

「ごめんなさい」

即土下座だった。

数分後。

KAITOは廊下を雑巾掛けさせられていた。

「うぅ……」

その横を通った暁山瑞希が吹き出す。

「ほんっと面白いねKAITOって」

「笑わないでぇ……」

「でもさ」

瑞希はしゃがみ込み、ニヤッと笑った。

「次やる時はボクのも混ぜてよ」

KAITOの目が輝く。

「共犯!?!?」

「共犯♪」

遠くから彰人の声。

「おい瑞希ぃぃぃ!!変なこと教えるな!!」

セカイには今日も平和な騒音が響いていた。

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