そしてある日の事だった。
あなたのニックネームが目を覚ましたんだ。
目を覚まして良かった…
と思えたのも束の間。
すぐ傍にあった機械の心拍数が下がっている、という警告音が鳴り始めた。
お医者さん達が来るまでの間、ずっとあなたのニックネームの名前を呼んでいた。
看護師さん達が忙しく動き回っている間、あなたのニックネームが弱々しく僕の手を握った。
そして、口に付けられていた物を外し、か弱い声で話し始めた。
あなたのニックネームは一粒の涙を流して目を閉じ、向日葵のような笑顔を浮かべながら静かに息を引き取った。
お医者さんの言葉なんて、耳に入って来なかった。
ただ僕は、ずっと返事がないと分かっていながら、あなたのニックネームの名前を呼んでいた。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!