一通りの自己紹介を終えた俺たちは、全員でホテルへ移動することになった。
霊拝堂の無駄にデカい、茶色く塗られ所々が剥げた鉄の扉を赤村ハヤトが開ける。
その後ろには浅葱呪、淡雪、となんとなく順番な感じで並んでいる。
だが、気がつけば琥珀ヤエが澄空アユのところにピッタリとくっ付いていた。
ふと感じた違和感。
澄空の発言におかしな点は無い。
もちろん俺だって突然こんなゲームに巻き込まれて困ったものだ。
だが、彼のその言葉には台本感があるというか、なんというか。
はー、全くこういうところが俺の面倒なところなんだよ。
違和感にはよく気づくくせに、その違和感の正体に気付くのが遅い。
だから…
手に力を入れて苛立ちを抑えていると、後ろからやや強めに頭を叩かれた。
ペチッといい音が鳴ったな。
頭を抑えて後ろを見る。
背ぇ高。
少し困惑している浅葱呪には気づかなかった。
俺は脳をリセットする為に深呼吸をする。
そして開いたままの鉄扉を浅葱呪と共にくぐった。
霊拝堂を出た先には、地図で見ると入り口。を後ろから見た場所。
男館は青、女館は桃の色の曇った窓ガラスが設置されている。
取り敢えず腹ごしらえということになったらしく、参加者は紫色の窓ガラスと扉で色が統一されているホテルの入り口を通り過ぎてその先の食堂に向かっていた。
そして浅葱呪と共に歩いて向かっている途中に一つの違和感の正体に気がついた。
そうだ、赤村から順に霊拝堂を出ていたはずなんだ。
琥珀は違かったけど。
それならコイツは赤村の次には霊拝堂を出ているはずなのに。
浅葱呪の水色の瞳を正面から覗き込む。
ほんの少しの沈黙の後、浅葱呪がハッと息を吹き出した。
コイツは俺が思ったような周りをよく見てる凄いヤツではなかったらしい。
ただ単に非常識なだけだったようだ。
(だからさっきから失礼なんだって!)
ふと前を見ると蠍刺がこちらに手をヒラヒラと振っていた。
それだけ言い残し、彼はスラコラサッサとスロープを降りて開放された透明の開き戸の中に走っていった。
俺らもスロープを下って食堂の中に入る。
食堂内は左手には広々としたイートインスペース。
五人用や三人用、二、一、六人用等たくさんの大きさの机も用意されていた。
右側にはドリンクコーナー。
オレンジ、リンゴ、コーヒー、紅茶、ジンジャエール。
種類豊富だ、梨ジュースがないのは残念だが…。
イートインスペースを半分に区切るようにしてバイキングコーナーが設けられている。
店内では食事を取り終えた人達が思い思いの場所に座って喋りこんでいる。
兄ちゃんは端の席で黙々と林檎を食っていた。
知り合いが結構多いもんなんだな。
この中で知り合いが居ないのはもしかして俺だけなのでは無いだろうか。
盛りに盛った皿を手に1人で座ろうとしていたら突然後ろから肩を掴まれるわ結構強いわ耳元で大声で叫ばれるわもうびっくりした。
ってかさっきまでお前ちょっと離れた机に居たはずだよな?
嫌そうな顔されたのにケラケラ笑ってる。
なぜ。
え?蠍刺っておな中なの?
俺この苦手なタイプのコイツの先輩なん?
(すみません蝲刺さん)
蠍刺が俺を連れていったテーブルには李豆木と真澄が緊張した様子で座っていた。
そういえばこの2人も初参加だったか。
蠍刺を隣に2人の女子を前に料理が盛られたプレートを置く。
李豆木が俺のプレートを見て驚愕の表情をしている。
そんなに多いか?(丸ごとなし2つ+カットなし8)
(灰殻くんは生粋のなし好きです。)
久しぶりの複数人での食事に頬が自然と少し緩んだ。
いつぶりだったろうか、こんなに明るい食事は。
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ズッ友?
んなもんいねぇよ。
ずっっと一人、どうせ俺は誰とも関わらない方がいいんだろ。
なぁ?
“親友”
ちょっ、面倒くさくなったか(((((((殴ドカーン
ゲフンゲフン、長くなりそうだから飛ばしマース
ホテルの入り口の紫色の扉を開けて、男館と書かれたプレートがある左に曲がる。
突き当たりを左に曲がった先の階段を上がればいいみたいだ。
曲がるちょっと手前にはトイレ、自販機、売店。
階段を一段一段登る。
ちょっとお腹がキツい。
欲に任せて食いすぎたかもしれない。
だって梨がめっちゃ美味そうだったんだもん。
(まるごと梨8つ食った)
階段の踊り場、一階と二階の間まで来ると、
2/₁と書かれているはずのプレートに、
『二階
202 翡翠渡カラス様
204 桃原フクロウ様
206 大葡萄コテツ様』
と書かれていた。
あの桃原ってヤツプレッシャー凄いだろうな、なんてったってあのプレアデスに挟まれてるもんな。
更に階段を登る。
2/3のプレートの部分に、
『三階
303 灰殼カイム様
305 墨坂ベタ様
307 灰殻ライム様』
俺はこの階か。
というか墨坂は男なんだな。
兄ちゃんも同じ階。なんかちょっと安心するかも。
一応四階の配置も見ておくか。
各階に壁掛け時計が設置されているから凄くわかりやすいな、
現時刻、22時17分
夜のゲームまでは後43分。
四階のプレートの前には、プレアデスに挟まれてる桃原フクロウ。
その後どちらかが雑談を始めるようなことなどなく、確認を終えたのだろう桃原がタブレットを持って階段を降りていった。
四階の部屋割りは、
『四階
402 蠍刺ラズ様
404 赤村ハヤト様』
部屋行くか。
303 灰殼カイム様と表記されたホテルの一室に入る。
少し広めの玄関で靴を脱ぎかけたが、スリッパが無い。
扉の内側に土足可の文字。
これはありがたい、と、土足で玄関に入る。
内装は入口を右に行くとトイレ、バスルーム。
入って奥に進むと…ベッド。
入り口から真っ直ぐ進めばベッドに着くようになっている
入り口の方に足が向いている。
テレビは無いか…。
広い部屋の奥、
室内のようにカーペットではなくフローリングになっている狭めの場所に置かれているローテーブル。
その上に貸与タブレットと灰色の封筒が置かれてあった。
貸与タブレットの電源を入れる。
使える機能は、メールとメモ、通話のみ。
他の機能は使えない、そもそも入ってないな。
俺はタブレットを元の位置に戻して、灰色の封筒を手に取った。
あとがき
なんかキリいいから終わろー。
なんか今回いろいろ迷子になってたわ、深夜テンション怖。
次回は夜のゲームのルール。
文章から全部考えたから文おかしいところあるかも。
わかんないとこあったらコメントしてね。
今回は3223字
【続く】


























編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!