ついさっき、桃原が退場したとアナウンスがあった。
言葉を交わしたのは僅かな時間で、一言二言程度だったが胸の奥がキュッと痛む。
タブレットの画面から聞こえてくる伯爵の声。
コト、と音がして、机の上に湯気を立てたマグカップが置かれる。
そっと手に取り息を吹きかけてから1口、口に運んだ。
温かい液体が、身体の中を巡るのを感じる。
深呼吸をして、飲んで、それを繰り返せば心は自然と落ち着いてくる。
今ネガティブになったって仕方がない、と。
早々にミルクを飲み切り、タブレット片手に立ち上がる。
部屋の扉を開けて、未知な空間に踏み出すような重い1歩を踏み出した。
マイマイside
既に退場者が1人。
初参加者は3人。
それなのに今回のゲームはかなりルールが特殊。
お隣さんの扉に耳をつけて聞き耳を立ててみるけれど、なんの物音もしない。
多分会長は初日は動かない。
恐らく様子を見るとか言いながらなにか作戦を考えているんだろう。
作戦とかはマイマイさんには向いてない。
だから特典メインで考えてみたけど、今重要な特典はべつにない。
だから相手の妨害も兼ねてこうしてエリアを動いてるんだけど…。
女子棟と男子棟を繋ぐ渡り廊下。
ここは窓も大きい上に遮蔽物がほぼ無い。
窓から見られるのを警戒すると正面や後ろから見られてアウト。
だからここを通る人なんていないと思ってたんだけど。
どういう意図かな…?
ライムside
この建物の女子棟と男子棟は、2階にある渡り廊下でしか行き来出来ない。
一応窓から外に飛び降りることはできそうだが、そんな野生動物みたいなやついないだろう。
渡り廊下は、見つかるためにあるような場所だろう。
壁には大きな窓ガラス。
遮蔽物の無い長い廊下。
そんな危ないところを通ってまで別の棟へ移動しようと考えるやつは、
どういう意図だろうな?
<某所>
2人の視線の先には───────
窓際でダイスを放る、1人の姿。
遅くなりました
少しずつでも投稿してきます
お気に入り外さずにいてくれた人ありがとう…!















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。