第31話

不器用な優しさ
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2019/02/18 10:02 更新
目の前にいたのは私のここに来る前の美容室の新人。


小竹夏帆ちゃん。


前、亜嵐くんが好きって言ってた…
あなた
夏帆…ちゃん…?
小竹 夏帆
あなたさんの彼氏って…
手を繋いでいるから…わかっちゃう…か
あなた
そうっ…
白濱亜嵐
なんでいんの?
亜嵐くんの声のトーンが一段と低くなる。
あなた
え?
白濱亜嵐
なんか用?
小竹 夏帆
…ねぇ、私達終わってないよ!
白濱亜嵐
終わってる。
今、私全く理解出来ていない。


だって、夏帆ちゃん亜嵐くんのこと新規で顔も知らない


って言ってたよ?
嘘…だったの?
小竹 夏帆
だって…!私聞いてないもん。
亜嵐から 別れよ なんて。
亜嵐…


呼んだことの無い名前が違う女の人から出てくる…


うぅ…
白濱亜嵐
言わなくても分かっただろ。
当たり前のことだ。
小竹 夏帆
どうして?
何がダメだったの?
私は居るべきじゃない。


そう感じとって亜嵐くんから手を離した。
白濱亜嵐
あなた…?
あなた
楽屋で待ってるね。
それだけ告げて夏帆ちゃんの横を通り楽屋に向かう。


私が言ってからもちょっとだけ言い合いの声が聞こえる。
やだ…


まさか、夏帆ちゃん亜嵐くんと付き合ってたなんて…
なんとなく進んでいたらやっと楽屋に着いた。
ドアを開けると私に視線が集まる。


玲於と隼と龍友さん。


あ、仲良く話してる…良かった。
あなた
お、お疲れ様です!
挨拶は大事だよね。


マネとしてダメだな。
佐野玲於
どうした?
あなた
え?
佐野玲於
顔暗いけど。
あなた
そんなことは…
小森隼
あれ、亜嵐くんは?
あなた
亜嵐…くんは…
"  元カノと話してる  "


なんて言えるかな…


きっと、言えない。私メンタルやられてる。


こんなに嫉妬心を燃やしたのは初めてだ。


たかが、元カノと言うだけでも嫌なのに。
佐野玲於
ちょっと付き合って。
玲於は私の手を掴むとドアを開けて引っ張る。
あなた
ちょっと…!
どこ行くの?


と聞いても無言な玲於。


助かった…って言ったら?


正直あの後は話そうか迷った。


涙が出そうだったから。
素直に玲於について行く。
ちょっと歩くと誰もいない部屋。
あなた
玲於…?
後ろを向いて私を見ようとしない。
佐野玲於
あぁ…
あなた
なんか…ごめんね?
佐野玲於
別に、あなたが謝ることじゃなくね?
やっと私の方を向いた。
佐野玲於
で?亜嵐くんに何があった?
あなた
えっと…
佐野玲於
俺になら話せる?
なんか…優しすぎて怖い。
あなた
言える…
佐野玲於
なら話して?
あなた
実は…
全て話した。


元カノが来たこと。


私の気持ちは嫉妬心だらけ。
佐野玲於
へぇ…むかつく。
あなた
うん…って玲於が?
佐野玲於
めっちゃむかつく。
あなた
どうして?笑
佐野玲於
亜嵐くん普通彼女いたらそんな話
目の前でしないでしょ?
それには玲於に共感。
佐野玲於
それに元カノとは終わらせておくでしょ。
あなた
うん…
佐野玲於
ほんと残念なリーダー。
あなた
だねっ…笑
佐野玲於
亜嵐くん…嫌?
あなた
え?
佐野玲於
今の気持ち、教えて?
今の気持ち…?


亜嵐くんは好きだよ。


大好き。


だけど、今の気持ちって聞かれるとちょっと辛い。
佐野玲於
少しでも亜嵐くんに好き以外の気持ちがある?
なんで…優しくするの?


余計に辛い…
あなた
…辛いっ
あ ~ 、言っちゃった…


けど…本当。
下を向いて涙を我慢する。


泣いてばかりじゃ成長できない!
玲於にお礼を言って楽屋に戻ろう。


そう思った時。
あなた
えっ…?
玲於に抱き締められている。
佐野玲於
無理して笑うな。
辛いなら俺が側にいてやる。
不器用で塩な玲於。


玲於なりに優しさを見せてくれてるんだ。
つい、私も玲於の腰に手を回した。
あなた
玲於っ…
佐野玲於
泣け泣け。
こんなずるいことしていいの…?


私、最低だ。


亜嵐くんに寂しさを感じたら玲於に慰めてもらう。


こんな自分嫌なのに玲於の優しさに浸ってしまう。
佐野玲於
いっそ、俺にすれば?
あなた
それは…ごめん。
佐野玲於
ふはっ、そうだよな。冗談冗談。
トントンと頭を叩く。
こんなに優しくされているのに考えてしまうの。
"  夏帆ちゃんと話は終わったのか  "

" 何の話してるのか "
自分勝手だな。
そう思う。
あなた
玲於、ありがとう。
佐野玲於
別に。お前の為じゃねぇし。
って、紛らわすんだ。


なら誰のため?って聞きたいけどそれ以上聞くと


怒りそうだからやめとく。
佐野玲於
いつでも隣空いてるから。
あなた
だから、ごめんって。
佐野玲於
頑固なやつ。
あなた
玲於もね。
亜嵐くんがこの状況を知ったらどうなるだろ。


絶対、怒られる。


けど。


私だって嫉妬ぐらいするし…
夏帆ちゃん、嘘ついてたんだ。

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