【彼女は鼻歌を歌うくらいご機嫌であった。】
【何故なら───】
【時は数分前に遡る。彼女は、自身の恋人である、花散光士郎と通話をしていた。】
【彼女は悪戯っぽく笑って、光士郎に場所を告げた。】
現在
【という経緯があったからである。】
【そんな数分前の出来事を彼女が思い出していると、後ろから足音が聞こえた。】
【そんな光士郎の疑問を遮るように、彼女の端末のアラームが鳴る。彼女はすぐにそれを止めると、とびきりの笑顔で光士郎に言った。】
【光士郎はばっと彼女に抱きついた。】
【そう言った後、彼女は光士郎に自身の顔を近づけた。】
【そしていつか光士郎がしたように、光士郎に口付けをした。】
【彼女はまた、悪戯っぽく笑った。光士郎もそれにつられて、弾けるような笑顔を見せた。】
【そう言い合った後、月明かりの下で、もう一度、二人は長い口付けを交わしたのだった。】












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!