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今は入学式の約15分前。
………で、今のこの状況をさらに詳しく言うと…
……なんと、生徒会長が体調不良で休みなのだ。
しかも、生徒副会長も体調不良で休み。
なーんでみんな揃ってインフルになるかなぁ!?
ちなみに私は生徒会長や副会長が
いなくて人手不足なので手伝わされている。
生徒会長が休んだら副会長が代理をする…
というのが普通だが、副会長まで休んだ場合は
どうするかなんて事前に考えられている訳がない。
じゃあ生徒会のメンバーがやれば?
……という話だけど、
生徒会のメンバーは全員「嫌だ」としか言わない。
それなら他の委員会の会長がやれば?
………4月という時期には花粉が大量にとぶ。
委員会の会長は全員、ひどい花粉症で
常に鼻をすすったりしているので無理だ。
………で、やってくれそうな人を
生徒会総務(芽愛さん)が選ぶことになり……
……まぁ確かに、
芽愛さんには今までの恩もありますし…
あの芽愛さんがここまで頼ってくれるなら…
………うー…でもやりたくない…やりたくないけど…
芽愛さんは90°に体を傾け、お辞儀をする。
これは最敬礼というやつだ。
いやまぁ、社会人が心からの謝罪とかで使うやつなんですけど…
芽愛さんはそれだけ言うと、
すぐに何処かへ走って行ってしまった。
……生徒会も忙しいんだなぁ…
………ってそんなことしてる場合じゃない!
今はとにかくこの原稿に目を通さないと…
……そして、入学式。
今は校長先生からの話だけど…
小声で、芽愛さんがわたしの名前を呼ぶ。
お、おわった…
……そして、「生徒会長からのお話」本番。
ちなみに、原稿は覚えてない。
というか覚えられるわけがないでしょ!
パイプ椅子に座っている新入生の方は
できるだけ見ないようにしながら、
さっきまで校長先生が立っていた台の前に立つ。
ここまで来てからようやく新入生たちの方を
そっと見てみると、生徒たちはほとんど…85%
ぐらいの人数がぐっすり眠っている。
………生徒指導!
私より新入生の方に「起きろ!」って
言ってやってくださいよ!!おかしいでしょ!
竜薔薇という名前を言うと、
起きているわずかな生徒がざわつく。
そりゃまあ珍しい名前ですし…当たり前ですね。
今までも名字で驚かれることはありましたし。
…無事、生徒会長の話は終わった。
舞台裏に行き、大きく息を吐く。
後半はめちゃくちゃ適当になったけど…
心配していたが、
生徒会長からも生徒指導の先生からも特に
お咎めなし、むしろ良い話だったと褒められた。
……この入学式は、私の新たな黒歴史となった。
おわり!
IFはこんな感じでやっていきます!
本編と比べててえてえが多い感じですかね…?
まぁ気持ちそんな感じです!
12時間に合いませんでした!
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。