泣き腫らした俺の目も少し落ち着いて洸人もやっと表情を和らげてきてる
将吾はキッチンのカップを片づけながら、ちらっと俺たちを見る
その穏やかな様子に、少しだけ安心したように笑った
将「…そろそろ帰る?」
柾「うん。今日は.....帰って、ちゃんと話す」
洸「そうだな…」
声はまだ少しかすれていたけれど、その目は真っ直ぐ俺を見てくれていた
柾「ごめんね急に来ちゃって」
将「全然 俺も柾哉と話せて楽しかったし」
洸「心配かけてごめん」
将「いいって!メンバーなんだから心配するのは当たり前!笑」
そう言うと洸人の肩を軽くたたく
その仕草にいつも以上の優しさが感じられた
家に帰る俺たちを見送りながら、将吾は少しだけ笑って
将「.....ちゃんと話し合いなよー
ま、ケンカするほど仲いいって言うし」
と小さく付け加える
洸人が苦笑しながら「うるさい(笑)」と返すと、 将吾は軽く手を振って中に入っていく
将「おやすみ〜」
洸「おやすみ」
柾「おやすみー」
将吾がドアを閉めてるとと洸人は俺の手を握ってきた
ドアが閉まる瞬間、将吾の家の中から
将「まったく、お似合いだなあ」
という小さな独り言が聞こえた気がして、 俺たち顔を見合わせて、恥ずかしがりながら少しだけ笑った
将吾の部屋を出ると、夜の廊下はひんやりとした空気に包まれていてちょっと肌寒かった
エレベーターの表示が静かに数字を下げていくのを、俺たちは無言で並んで見つめていた
俺は何かを言いかけて、口を閉じた。
今のこの気持ちをどう表現していいのか分からなかったから
洸人の横顔をちらっと見てみると、同じように少しだけ硬い
でもその表情の奥にあるのは、怒りでも冷たさでもなく
“安心した人”の顔だった
エレベーターの中
機械の低い音だけが響く
お互いに視線を合わせることもしないで
ただ沈黙が二人の間を流れていた
俺は指先をぎゅっと握りしめ、 少し震える呼吸を整えようとしていた
何か言わなきゃ.....
そう思っても、喉が上手く動かない
そのとき
洸人の手が俺の右手をそっと握った
驚いて顔を向けると
洸人は何も言わずに前を見たままただそのまま手を握り続けていた
強すぎず 弱すぎず
だけど“離す気はない"っていう気持ちが手から伝わってきそうで
胸の奥がじんわりと温かくなるのを感じた
洸人……
名前を呼びたかったけど
今その一言を口にしたらまた泣きそうになるから代わりにその手を握り返した
エレベーターが着いてから家のドアまで歩く間、 一言も話さなかった
だけどその沈黙は全然息苦しくなかった
家の前に着いたとき、 洸人が
洸「.....寒くなったな」
それだけだった。
けれど、その一言があまりにも優しくて、 不器用で思わず小さく笑っちゃった(笑)
洸人らしい………笑
「.....うん(笑)」
その後は何も言わず、ただ繋いだ手を離さないまま
洸人が鍵を差して扉を開ける
柾「ただいま」
洸「ただいま」
靴を脱いでリビングに入ると俺たちは少しの間立ち尽くした
洸「柾哉」
呼ばれた瞬間、胸がきゅっと締めつけられる
洸人はまっすぐ俺を見て
洸「....ちゃんと話そう 何があったか教えてほしい」
柾「…うん ちゃんと話す」
そう言ったとき、部屋の中に流れた空気は柔らかかった
絶対誤解だって分かったし
逃げないって
洸人に本当の事を聞くって
決めたから
度々すいませーん……
自分で読んでみたら長すぎてやばいと思ったので20話と21話に分けてみました……
上手く書けない…(´;ω;`)ブワッ












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。