鈴那ちゃんが作ったお好み焼きを食べて、それから私はビールを5本空けた。
私は元々お酒が強いのでなんてことなかったが、鈴那ちゃんは梅酒を一杯飲むだけで顔が真っ赤になり、合計3杯飲む頃には意識が朦朧としていた。
テレビの前にある大きなソファに鈴那ちゃんを横にさせて、私は後片付けをした。
自炊は無理でも、後片付けは人並みにできるので私は使った皿や箸を洗っていく。
ピンポーン
ふと家のインターホンが鳴り、私はギクリとする。
鈴那ちゃんがソファから立とうとしたので、私は急いでそれを制御した。
濡れた手をタオルで拭き、玄関に向かい、鍵を開ける。
先程まで猫撫で声で鈴那ちゃんの名前を呼んでいた蘭君が、一瞬にして阿修羅のような顔になった。
蘭君は玄関の鍵を閉めて、靴を脱ぎ、それからリビングに向かった。
蘭君がリビングの扉を開けると、鈴那ちゃんはソファの上で目を閉じていた。
蘭君が鈴那ちゃんの赤い頬をつねったけれど、鈴那ちゃんはぐっすり寝ている。
言葉とは裏腹に蘭君は、鈴那ちゃんのことを意図も簡単にお姫様抱っこをした。
私は特に手伝えることがなかったけれど、それでも鈴那ちゃんが心配だったので蘭君の後ろをついていった。
蘭君はある部屋の前で止まると、私に向かった「開けろ」といったので、私は蘭君の命令に従うのは嫌だったけれど、ドアを開けた。
部屋のど真ん中にキングサイズの大きなベットがおいてあった。
蘭君はそのベットに近づいて、鈴那ちゃんをベット上にやさしく置いた。
蘭君が明らかに嘘を言っているのは分かっていた。
蘭君も竜胆君も鈴那ちゃんと一緒に寝ているけれど、鈴那ちゃんとセックスしたことはない。
それは竜胆君から聞いていることなので、私は「あっそ」とだけ言った。
蘭君がドスを利かせた声で、私を更に睨みつけたので私は急いで部屋の外に出た。
数分立つと蘭君が部屋から出てきたので、鈴那ちゃんの安否を確認すると鈴那ちゃんはちゃんとパジャマに着替えて眠っていたので、ほっとした。
玄関へ向かう廊下で私は蘭君に質問した。
私が必死で蘭君に懇願すると、蘭君は指の関節を鳴らすのをやめてくれた。
蘭君が玄関の鍵を開けて、扉を開けてくれたので私は急いで靴を履いた。
「竜胆みたいに、いつもがっつく男じゃないんで俺」
蘭君は普段から女の子に優しいのに、私にだけは冷たい気がするのはきっと気のせいじゃない。
蘭君の中では鈴那ちゃんを傷つける人間なら男も女も関係ない。
きっとそれは、竜胆君も同じで。
竜胆君にそんなに大切に思われている鈴那ちゃんが羨ましくなったけれど、でも鈴那ちゃんはそれぐらい素敵で優しくて可愛いことが改めて分かったのが、余計心を苦しませていた。
どうせ生まれるなら鈴那ちゃんに生まれたかった。
そしたら、竜胆君の一番になれたのに。
















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。