第37話

三角関係の工程式を解いてみよう_10
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2022/06/26 10:19 更新
竜胆君が私のことを間違えて、「鈴那」と呼んでから数週間が経った。



最初はいつものようにLINEが来たり、電話が来たりしていたけれど、私はその全部を無視した。




竜胆君との連絡を絶ってから、1週間後に竜胆君は私の家のインターホンを鳴らしたけれど、私は居留守を使った。




我ながら子供みたいなことをするものだと思うけれど、今の状況で竜胆君と会うのはどうしても嫌だった。




自分の中でも答えを見出せないまま、あっという間に数週間が過ぎた頃には、竜胆君からLINEも電話も来なくなっていた。




このまま自然消滅になっていいのかも自分で分からない。自分がどうしたいのかさえ、分からなかった。




鈴那
鈴那
「あれ、あなたさん?」
スーパーでマヨネーズを見ながら竜胆君のことを考えていると、ふと後ろから声をかけられたので振り向けば、ラフな格好をした鈴那ちゃんがカートを押して立っていた。
鈴那
鈴那
「あっやっぱり、あなたさんだ!奇遇ですね!」
(なまえ)
あなた
「鈴那ちゃん…あれ、鈴那ちゃん家ってここら辺だっけ?」
鈴那
鈴那
「違います、でも、ここのスーパーたまに特売やってるので時々来てるんです。今日はマヨネーズと卵が安かったので」
鈴那ちゃんがポケットからスーパーのチラシを出して、「本日限り!特売品!」と記載されている卵とマヨネーズを指差し、興奮した面持ちで言った。




竜胆君から聞いている通り、鈴那ちゃんは間違いなく家庭的な女の子だった。




(なまえ)
あなた
「そうなんだね。それにしても、随分買ったね」
カートの一段目と二段目の籠はどちらも満杯で、野菜、調味料、魚、肉、冷凍食品、日用品で溢れかえっていた。
鈴那
鈴那
「少々買いすぎました…でも、近くのスーパーより安いものばかりで!」
(なまえ)
あなた
「でも、これ一人でどうやって持って帰るの?」
鈴那
鈴那
「大丈夫です!リュックもありますし、なんとか持って帰ります!」
(なまえ)
あなた
「でも…あの、良かったら家まで一緒にもってあげようか?」
鈴那
鈴那
「え、そんな!」
(なまえ)
あなた
「その代わりと言ってはなんだけど…私に何か作ってくれない?鈴那ちゃんの料理、一度食べてみたかったんだよね」
鈴那
鈴那
「私の料理なんかで良ければ全然!」
(なまえ)
あなた
「じゃあ、そうしよう。私、今日休みでちょうど暇してた所だから」



それから私は鈴那ちゃんと一緒に買い物をして、竜胆君・蘭君・鈴那ちゃんが住んでいるマンションに向かった。




鈴那ちゃんに作ってもらう料理は、お好み焼きにしてもらった。




もっと凝った料理をお願いしようと思ったけれど、竜胆君と蘭君が帰ってくる前には家を後にしたかったので、比較的簡単なお好み焼きにした。




鈴那ちゃんの料理の手際の良さは、竜胆君がお墨付きした通りとても良くて、30分もしない内にお好み焼きが出来上がっていた。




鈴那
鈴那
「乾杯!!」
(なまえ)
あなた
「乾杯!!」
私はビールを、鈴那ちゃんは梅酒を片手に乾杯をする。



目の前にホットケーキみたいに綺麗に焼かれたお好み焼きに、ソースとマヨネーズをかけて食べる。



(なまえ)
あなた
「…う、うまい…」
鈴那ちゃんの作ったお好み焼きは絶品だった。



普段自炊をしたことなんてほぼない私にとって、久しぶりに誰かが1から作った料理を食べて、私は不覚にも感動してしまった。



ただのお好み焼きがこんなに美味しいのだから、それ以外の料理なんてもっと美味しいに決まっている。




竜胆君がいつか「どうせなら鈴那の作った料理で腹一杯にしたい」といった言葉が頷けた。




惨敗だ。何かも。見た目も中身も家事も何もかも、私が鈴那ちゃんに勝てるものはない。



うま(作者)
うま(作者)
続けて、「竜胆君は隣のあの子を愛しすぎている【番外編】を見る方は下からどうぞ!
うま(作者)
うま(作者)
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