第7話

遅いアオハル
577
2025/02/09 01:33 更新
あなた
む……。
烏養
なんだよ。不服か?
あなた
この前も気安く触らないでって言ったじゃん。
烏養
あーそーだっけか?
でもお前の手もうすっげぇ冷てぇぞ。まだ家まで距離あるんだから大人しく入れとかれろ。
てか、俺が寒ぃ…。
あなた
なにそれ…むむむ……。
烏養のジャケットのポケットの中で烏養と手を握ったまま、観念して再び歩き始めた。
顔が熱くなるのを感じる。

しばらくすると冷たさと痛さで感覚がなかった指先が温まってきた。ほっこりする…。


じゃねぇーーーよーーー!!!!
なんで烏養と手を繋がなきゃいけねぇーんだっつぅーのー!!!!


私はまたあの日のように烏養のポケットから手を引っこ抜こうとした。
あなた
?!
烏養
やると思った笑
烏養がポケットの中でグッと強めに私の手を握り逃さなかった。
烏養
別に減るもんじゃねぇからいいだろー。
ほら、俺のタバコ1本やるから。
そう言って私に自分のタバコを口に差してきて、火をつけてくれた。
…烏養の匂いがする……。
あなた
ふぅ……観念します…。
烏養
ん。
そう言って烏養もタバコを吸い始めた。
2人分の煙がゆらゆらと空へ登っていく。
烏養
つかさ、お前、男に免疫ないのか?
あなた
?!
ゲホゲホ!!!!何いきなり?!
烏養
いや、なんか…いちいち反応がウブだなぁと笑
ヤンキーのくせに笑
あなた
うっさいわ!!
彼氏いたことあるし!!ウブじゃねーし!!
マジで余計なお世話!!
烏養はゲラゲラ笑った。
失礼な奴…中学の時も失礼な奴だったけど!
あなた
つかさー…普通こういうことカップルがやるもんじゃない…?ナチュラルにやるなよ…。
烏養
はぁ?お前は俺の湯たんぽ代わりだ!
あなた
なっ!!
人を湯たんぽ呼ばわり!!
烏養
いーじゃねーかー!!お互い寒いんだしあったけぇし!!
あなた
お、おん…。
烏養はまた豪快に笑った。

ホントこの前から調子狂う…。
なんか、振り回されてる感っていうのかな。
私がひとりで勝手に空回ってるだけか…。
だから何ってわけじゃないんだけど。

一応さ、烏養は男で私は女だよ?
こんなことされたら普通に困惑するし…。

でも、烏養は平気でこういうことしてくるし。
あなた
………はぁ〜〜〜。
烏養
なんだよ、急にでっけぇため息ついて。
あなた
なんでもないよ…烏養ってバカだよねって思って。
烏養
はぁ?!いきなりなんだよ!
あなた
うるせぇ!!
人を湯たんぽ呼ばわりしたお返し!!
烏養
お前なぁ!!
あなた
なんだよ?!あん?!
烏養
急にヤンキー出してくんなよ!!
未だに迫力すげぇんだから…。

悪ぃ、からかい過ぎたな。なんか嬉しくってよ!
お前が地元に帰ってきたことが!

会ってなかった期間、正直お前の存在が俺の思い出から消えてた。
でも、この前飲み屋で遭遇した時はマジでビックリしたし、あれ以来学生時代のことをよく思い出すんだ。その思い出の中には、もちろんお前がいる。それだけお前の存在が強烈だったってことだけどな!!
あなた
なんか最後の一言が余計じゃない?!強烈って笑
でも、烏養がそう思ってくれてたのは素直に嬉しいよ。ありがと。
私はそう言って烏養を見上げた。
烏養も私を見下ろし寒くて鼻の頭が赤くなった顔でニヤッと笑った。

そして、ふと立ち止まり、烏養に肩を掴まれて向き合わされた。
烏養
改めてちゃんと言わせてくれ!!
あなた
はっ?!なに急に??
烏養
あなたの名字!…おかえり!!!!
ビックリした…。
何を言われるのかと思ったけど、そんな今更…
私は思わずププっと笑ってしまった。
あなた
ん!!ただいま烏養!!
お互いに見つめあってニカッと笑った。
あなた
うちら真っ直ぐ歩けてるけど、酔っ払ってるね!!
烏養
そうだな!!楽しかったもんなー!!
あなた
ねねね、また今日のメンツで飲み会しよー!!
烏養
そうだな!定期開催にするか!!
あなた
そーしよそーしよ!!
家路まで2人で笑いながら帰った。
あなた
…う、朝……。
枕元の時計を見るとまだ朝の6時だった。
あれ?いつもカーテン閉めて寝るのに開いてる。
烏養
起きたか?
あなた
は…え……??
うちのベランダで烏養がタバコを吸っていた…。
烏養
おーい。大丈夫かー。
あなた
なんであんたがうちにあがってんのよーーーー!!!!!

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