───きっとこれは、私と輝くんの幸せな愛の物語。
そう思ったまま迎えた週末は、少しだけ浮かれていた。
恋人になったからって何かが劇的に変わるわけじゃないけれど、 メッセージが来るたび、胸があたたかくなる。
それだけで、甘くて安心する、すっごく温かい気持ちになる
待ち合わせたカフェで、輝くんはいつも通り少し遅れてきた
本当にそう思った。
席に座ると、
もこもこの泡がのったカフェオレが運ばれてくる。
その一言が、うれしい。 私のことを、ちゃんと見てくれてる気がして。
───相性がいい。
前あった時の言葉が頭をよぎる。
でも。
輝くんのスマホが、何度も光る。
返事をする指が止まらない。
なるべく、軽く言ったつもりだった
画面を見たまま、輝くんは笑う
その言葉で、空気がふっと軽くなる。
責められているわけじゃない。 むしろ、なだめられている。
輝くんは私のカップを指さした
話は、そこで終わった。
私はカフェオレを一口飲む。 泡が少し減って、甘さがやわらいでいた。
考えすぎ。
私が、気にしすぎなだけ。
輝くんが言うなら、
きっと、それが正しい。
店を出る時、輝くんが思い出したみたいに言った
一瞬、戸惑ってしまった
断る理由なんてなくて
そう言うと輝くんは安心したように笑う
その言葉を聞いて、胸が少しだけざわついた。
でも、そう返すのが自然な気がして
相性がいい。
昨日より、少しだけ重く聞こえたけれど、 否定はできなかった。
一人で歩きながら、 今日のことを思い返す。
考えすぎ。 物分かりいい。 相性がいい。
どれも、悪い言葉じゃない
そう思えば、少し安心できる。
正解を、輝くんが知っているなら、 私はそれ、に合わせればいい。
スマホが震える
その一文を見て、 胸の奥がきゅっとなる。
嬉しい。 .......たぶん。
私は、その違和感に、 まだ名前をつけなかった。
2話読んでいただきありがとうございます
皆様が楽しめますように



















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。