第3話

櫻庭 玲奈
47
2023/01/28 09:33

少女
少女
うぅっ!………… っ何なんいきなり!!
懐中電灯の光に照らされ、影の正体が露わになる。


     ………………綺麗……。

思わず呟いてしまった一言。

それ程までに目の前に現れた少女は美しかったのだ。



光に照らされ輝く髪は透き通るような栗色。
色白な肌。垂れ目がちなアーモンド型の瞳に艶やかな唇。

それらはまるで西洋人形のような出で立ちである。

あまりの可憐さに一瞬にして心を奪われていた。
彼女は少し驚いた表情を見せた後、すぐに笑顔になり言った。
 

少女
少女
えへへ、なんか面と向かって言われると照れるわぁ
少女
少女
 …… 私、櫻庭玲奈さくらば れいなって言います。
あなたは?

涼花
涼花
 涼花です 

玲奈
玲奈
涼花ちゃんか〜、可愛ええ名前やね! 中学生? あ、高校生やろか?

涼花
涼花
はい、高校一年です

玲奈
玲奈
そうなんや! じゃあお姉さんの二つ下やねぇ

涼花
涼花
ふふっ、よろしくお願いしますね?

玲奈
玲奈
おう!よろしくな!



波打ち際で二人して笑い合う。
たったそれだけの事なのに何故だかとても嬉しくて堪らなかった。
此処に来た目的など忘れてしまう程に──。

玲奈
玲奈
…… なぁ、明日もここに来れるか?

涼花
涼花
えぇ、多分大丈夫だと思います

玲奈
玲奈
ほんまに!? やったー!!
じゃあまた明日の夕方ここで会おか! 約束やで!!

小指を差し出す彼女に微笑みかけながら、自分もまた同じように差し出した。

そして互いの指を絡め合い、小さく振った。








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