男バレの面々に背中にかくまわれ、ハンカチで涙を拭いているとチャラ男へのイラつきが収まってきた。
侑があんま奴に言い負かされるとは思っていないので、これからのことに思いをはせる。とりあえずここを出たら映画のことについて話し合うのは確定で、感想について考えているとどういうことか私の頭の中はあっという間に夏休みに支配されてしまった。あと一か月ほどで夏休みが始まる。大学生のいいところといえば義務教育や高校に比べて休みが長いところではないだろうか。
約二か月もある夏休みの計画を立てていると治に話しかけられる。
そう言われて手首に目を向けると確かに先程チャラ男につかまれた部分にあとがついていた。
そう言って顔をしかめると銀島くんと角名くんに手首を凝視される。
そう言って銀島くんが自分のカバンをあさってくれているのでお言葉に甘えてシップをもらうことにする。シップ程度で痛みが和らぐとは思えないが。まぁ、病は気からと言うし、少しはましになるかもしれない。
私がそういうと銀島くんが勿論です!と言ってシップを一枚手渡してくれたので受け取ろうとするが銀島くんが腕をひっこめた。
確かにそういわれてみればチャラ男につかまれた腕は右腕。私の利き手は右手なので左手でシップを貼るのはできないかもしれないと思いつつもそこまで甘えてはいられないので見栄を張ることにする。
いや、大丈夫だし?これくらい余裕ですし?
そう言って銀島くんから受け取ろうとすると、治に妨害される。
そう言って鼻で笑われたので言い返してやろうと思った隙に侑からの追撃。
双子ににらみを利かせているとその間に銀島くんが私の手を取ってシップを貼ってくれた。
さらっとそういうことができる子ってすごいと思う。きっと大半の女の子たちは双子とか角名くんとかに吸われていくんだろうけど、絶対銀島くんのファンもいるから!私は銀島くんのこと応援してるからね!
欲を言えば双子や角名くんよりも先に彼女を作ってあいつらの鼻っ柱を折ってほしい。双子は言わずもがな、角名くんも話していて少し性格が悪いことを私は知ったので今は専ら銀島くんを推している。
そしてさっきぬるっと会話に入ってきた侑だったが、後から聞いた話によると私たちが話している間にチャラ男に聞くに堪えない暴言の数々を浴びせて撃退したということらしい。
今度お詫びにみんなに何かをおごろうと決意した。しかし、大学生のお金では男子高校生4人に食事をおごることは危険だと思うので一か月につき一人くらいのペースで恩返ししていこうと思う。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!