白い光の中で〜♪
と、有名卒業ソングがみことの頭の中に流れ出すほど、みことが連れてこられたところは眩しかった。
いつもは柔和なみことの顔が険悪な感じになっているのも、眩しさで目を眇めているからだ。
それに対して光の講師は、奥の目が見えないくらい真っ黒なサングラスをかけて平気そうに立っている。
ポータルをくぐり抜ける前はおしゃれ番長なのかと思ったが、今はそれくらい濃いサングラスは必須だ。
こんなんだったらシクフォニのおしゃれ番長のいるまにサングラスを借りていればよかったとみことは後悔する。
いるまがこれくらい色の濃いサングラスを持っているかどうかは、みことは知らないけれど。
訓練してもらうと言っても、ここはただの白い空間だ、、、眩しすぎて。
本来ならば山吹色の魔花が咲き乱れているのだが、眩しすぎてみことはそれを認識できていない。
必死に目を細めて眩しさを軽減しようとすることしかできない。
足元にカサカサと草のようなものが当たっているから、辛うじて植物が地面に生えていることはわかっているが。
バッサリと切り捨てられたみことは、思わず目を開いてしまう。
ピカーッ!!!!と目に突き刺さるような光に、みことは思わず呻いてうずくまる。
すると、光の講師は流石にみことが可哀想になったのか、そっとみことの前に立って光を遮ってくれた。
だいぶ恐ろしいことを言った光の講師にツッコミながら、みことは未だにちゃんと目を開けられない。
そんな光の講師は、そのままの体制でみことにその魔法を教え始めた。
光界崩閃というみことの持ち魔法は、光魔法で作られた結界を崩壊させる魔法らしい。
このとてつもない光を発している空間も、もとの空間に内部発光結界を張っただけなので壊せるのだとか。
ジトリと睨まれて、思わずひくりと頬をヒクつかせる光の講師。
だがすぐにもとの落ち着いた笑みを浮かべ、とりあえずやってみてください、とテキトーに指示をする。
念じて詠唱すればそれなりに魔法は発動できるだろうとこれまたテキトーな説明を加えて。
みことは勇者だから、という光の講師の中でのみことに対しての天才扱いも理由のひとつだろう。
だがちゃんと説明をしない理由の大部分は、めんどうくさいから、であった。
一刻も早く子の眩しさから開放されたいみことは、眩しさを堪えて顔をキッと上げた。
そして、この結界が崩れるのをイメージして、唱える。
パリンッと呆気なく、ガラスが割れるような音がして。
粉々に砕け散った、発光している結界の欠片が、みことと光の講師に降り注いだ。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!