ダッダッダッ
ガチャ
やってきたのはビルの屋上。
「ううっ…やっぱり高いね。」
そう言って笑う彼女。
僕の彼女の微笑みはいつ見ても美しい。
「天月くん。」
『ん?』
「私、天月くんに出会えて良かった。
天月くんが手を取ってくれたから、
天月くんが私の世界を変えてくれたから、
天月くんが
私を愛してくれたから、私…」
……やっぱり僕たちは似た者同士みたいだね。
チュッ
僕はあなたちゃんにキスをする。
「…んんっ……ぷはぁ…長いよ…///」
『ごめん笑』
「もう…///」
火照る頬。
速さを増してく脈拍。
薬の効かない、こんな病気を、
愛と呼ぶのだろう。
僕たちは抱き合って、 真っ逆さまに落ちていった。
天国に向かって__。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!