祭り当日の夕方、浴衣姿のショウくんは、
いつもより少しだけ優しい声でそう言った
耳元で囁かれて、心臓が跳ねた
人混みの中、誰にも聞こえないように言うからずるい
顔、見れなかった
隣に立つ彼の背中は高くて、でも手が触れる距離で、
歩くたびに浴衣の裾がかすかに揺れてる
差し出された手はあったかくて、少しだけ汗ばんでて
でも、ぎゅって指を絡めてくれた瞬間、不安なんか一気に消えた
いつもの敬語なのに、何故かドキッとした
いつもと違う低い声で、まっすぐ言ってきた
屋台のにぎやかな声も、人の多さも全部どうでもよくなって
手を繋いでるそのことだけで頭がいっぱいになった











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。