学校中を探し回った甲斐もあり
無事隠された靴を見つける事が出来たけど
家に着いたのはかなり日が落ちた後だった
いじめなのだろうか
でも、何の為に....誰が
考えれば考えるほど分からなくなって
どうしようもない不安が私を襲う
今日の事をジウォンちゃんに言ってしまえば
きっと彼女は我を忘れて犯人を探し回るだろう
大丈夫
きっとすぐ終わる
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翌朝
彼女の話を聞きながら
昨日、自分の手でわざわざ掃除した下駄箱を開ける
ボトッと、何かが地面に落ちる
その物体が放つ異臭に気づくのに時間はかからなかった
何枚もの腐った匂いがする雑巾
スリッパは赤い文字で埋め尽くされていて
見るに堪えないものだった
危うく女の子に掴みかかろうとする彼女を抑える
もうこれ以上、騒ぎを大きくしたくないのに....
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教室
どうして
こんな事になったんだろう
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昼休み
パシッ
肩に置かれた手を払うと
静寂に包まれた教室なんて気にせず
一時間目の授業の準備を始める
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昼休み
朝の事もあってか授業に集中も出来るはずもなく
午前中の授業は何一つ頭に入ってこなかった
後で復習しないと.....
自分の事で精一杯だったため
ウォニョンの事を気にかける余裕がなかった
優等生だった彼女がここ数日休んでるなんて
心配でしょうがない
一つ一つが例え小さな出来事だとしても
それが積み重なれば
人ひとりの心を折るには
十分なものだったと、この時はまだ気づけなかった
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!