第79話

#77
417
2024/06/02 13:33



怜
はぁ.........
怜
(.....なんでこんな事になるんだろう....)


学校中を探し回った甲斐もあり



無事隠された靴を見つける事が出来たけど



家に着いたのはかなり日が落ちた後だった





怜
(おばさんには部活って言ったけど.......)
怜
...............





いじめなのだろうか



でも、何の為に....誰が



考えれば考えるほど分からなくなって



どうしようもない不安が私を襲う




怜
......
怜
(きっとジウォンちゃんに言ったら........)



今日の事をジウォンちゃんに言ってしまえば



きっと彼女は我を忘れて犯人を探し回るだろう



怜
(......大丈夫....きっと...自分でなんとか出来る....)





怜のおばさん
「怜ちゃん〜ご飯よ〜!!」
怜
「はーい!!」




大丈夫



きっとすぐ終わる








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翌朝





ジウォン
ジウォン
昨日はごめんね、大丈夫だった?
怜
うん..!!平気だったよ笑
ジウォン
ジウォン
良かった.....でもなんかあったらすぐ言ってね?分かった?
怜
だから大丈夫だって〜笑



生徒
...待って...あの子笑
生徒1
ウケる...まだ別れてなかったんだ...笑


怜
..........
ジウォン
ジウォン
そういえば今日の体育、自習らしいよ
怜
へぇ〜なんで急に?
ジウォン
ジウォン
ウォニョイが言うには......



彼女の話を聞きながら



昨日、自分の手でわざわざ掃除した下駄箱を開ける



怜
......あ〜奥さんが風邪引いちゃったん......あ



ボトッと、何かが地面に落ちる



その物体が放つ異臭に気づくのに時間はかからなかった



何枚もの腐った匂いがする雑巾



スリッパは赤い文字で埋め尽くされていて



見るに堪えないものだった





ジウォン
ジウォン
..............
怜
....あはは....誰かが間違えて入れたのかな......
ジウォン
ジウォン
レイ
怜
..........なに?
ジウォン
ジウォン
その反応、これが1回目じゃないでしょ?
怜
....いや....えっと......
ジウォン
ジウォン
........、
ジウォン
ジウォン
心当たりはある?
怜
.....ない...
ジウォン
ジウォン
....ねぇ
生徒1
....ビクッ
ジウォン
ジウォン
知らない?誰がやったか
生徒1
し、知らないよっ...!!
ジウォン
ジウォン
......じゃあ、さっきなんで笑ってたの?
生徒1
....え...それは.....
ジウォン
ジウォン
...........
生徒
.....私達はやってないよっ..!!でも....
ジウォン
ジウォン
でも?



生徒
........早く別れた方がいいよ、そんな子...ジウォンちゃん
ジウォン
ジウォン
.....は?
怜
じ、ジウォンちゃん...!!?



危うく女の子に掴みかかろうとする彼女を抑える



もうこれ以上、騒ぎを大きくしたくないのに....




怜
お、落ち着いて.....ジウォンちゃん...!!
ジウォン
ジウォン
....どういう意味?今の...ねぇ?
生徒
こ、言葉の通りだよっ...!!
生徒1
皆言ってるよ.....、レイは..
生徒
レイはジウォンちゃんと付き合ってるのに𓏸𓏸君と浮気したり.....それに𓏸𓏸ちゃんが好きって知ってる上で誘惑してたって...!!
怜
.....浮気...??そんな事してないっ..!!!


教師
おいそこっ..!!!予鈴はもう鳴ったぞ..!!
生徒
...げっ..、行こっ
ジウォン
ジウォン
あ、ちょっと...!!
怜
ジウォンちゃん..!!
ジウォン
ジウォン
なんで止めるの、レイ...!!
怜
いいから....ね?大丈夫だから.....
怜
きっと前みたいに誤解が解けるから........だから...早く行こ
ジウォン
ジウォン
............
ジウォン
ジウォン
......うん
教師
そこ2人〜早く教室行けよ〜
怜
はーい




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教室






生徒
はぁ!?!??なんで早く言ってくれなかったの!??
怜
え...いや....その..
生徒1
言ってくれれば一緒に帰ったし......マジで誰がやったわけ...!?
怜
..........



男子生徒2
俺は絶対8組の奴らだと思うぜ、絶対そうに決まってる
男子生徒1
てか噂が出回ってるって話本当だったんだな、どうすんだよこれ
怜
噂.........

生徒
とにかくレイ..!!しばらく落ち着くまでは私達と一緒にいよ...!!ね?
怜
う、うん.....ありがとう...皆





どうして



こんな事になったんだろう










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昼休み






ジウォン
ジウォン
(......イライラ....)
ジウォン
ジウォン
(一体誰が....あんな事を......何のために.....)


生徒
じゃあ噂は本当だったって事...??
生徒1
脅して投稿を消させたらしいよ.......やば




ジウォン
ジウォン
............
男子生徒2
.......なぁなぁ〜笑、お前は聞いてないの?可愛い彼女からさ〜笑
ジウォン
ジウォン
................
男子生徒1
よくお前も愛想尽かさないよな...笑、俺なら速攻別れるけど笑
ジウォン
ジウォン
.................
男子生徒2
なぁ...?聞いてんn



パシッ





男子生徒2
なっ......



ジウォン
ジウォン
それ以上言ったら許さないから


肩に置かれた手を払うと



静寂に包まれた教室なんて気にせず



一時間目の授業の準備を始める





ジウォン
ジウォン
(.....大丈夫.....絶対何とかしてみせる......私が何とか....)





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昼休み





怜
............
生徒
レイや......大丈夫?
怜
え?うん笑、大丈夫だよ
生徒
....なんかあったらすぐ言ってね....お願いだよ?
怜
うん..!!ありがとう



朝の事もあってか授業に集中も出来るはずもなく



午前中の授業は何一つ頭に入ってこなかった



後で復習しないと.....





怜
(....お昼...ジウォンちゃん達と食べたいな......)
ジウォン
ジウォン
考え事?
怜
うわっ...!?
ジウォン
ジウォン
...?
怜
い、いつの間に......
ジウォン
ジウォン
さっきからずっと居たよ笑
怜
ご飯今日どうしようか?
ジウォン
ジウォン
レイが良ければ教室で食べようよ、良いかな?
怜
うん..!!そういえばウォニョアは?
ジウォン
ジウォン
それが....最近来てないんだよね、連絡もつかないし
怜
始業式の日もいなかったよね....どうしたんだろ........


自分の事で精一杯だったため



ウォニョンの事を気にかける余裕がなかった



優等生だった彼女がここ数日休んでるなんて



心配でしょうがない









ジウォン
ジウォン
まぁ...ウォニョンなら大丈夫だよ、レイは気にしなくて良いよ
怜
うん.........






一つ一つが例え小さな出来事だとしても



それが積み重なれば



人ひとりの心を折るには



十分なものだったと、この時はまだ気づけなかった













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