第83話

#81
473
2024/06/30 08:34




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ジウォン
ジウォン
....な、何言ってるの?
怜
言葉の通りだよ.....、別れて欲しいの
ジウォン
ジウォン
なんで...?、どうして..!!



怜
.............
ジウォン
ジウォン
...またあの子達になんか言われたの??、別れろとか言われたの..?、ねぇレイっ...
怜
....もう好きじゃないから
ジウォン
ジウォン
....え..




怜
ジウォンちゃんの事好きじゃなくなったの。それだけだから......
ジウォン
ジウォン
じゃ、じゃあ....レイが嫌だった所全部直すから..!!また好きになって貰えるように頑張るからっ..!!だから.....
怜
.....!!










ジウォン
ジウォン
.....別れるなんて....いわないでよ......泣......れいっ....泣
怜
.....あ.....




思い返せば、出会った時から一目惚れで




ずっと君の事を考えてた







ジウォン
ジウォン
...ねぇ...れいっ....ぐすっ泣.....やだよぉ.....泣




怜
........っ




大粒の涙を流す彼女を



声を掛ける事も慰める事も出来なかった



ただ眺める事しか、今の私には出来なかった





怜
.......ごめん、ごめんね......
怜
(....泣くな...泣いちゃダメなのに...)




別れたくない



大好きな人を傷つけたくない



でも、それでも私にはこれしか方法が考えられなかった



もう何もかも限界だった







ジウォン
ジウォン
.....っ泣....れい......おねがいっ...泣....いやだよぉ....泣




怜
.......明日から、迎えに来なくていいから......
ジウォン
ジウォン
.....あ....
怜
昼休みも、放課後も....もう私に話しかけないで.......
ジウォン
ジウォン
.......ま、まってっ....
怜
....じゃあね



ジウォン
ジウォン
あ、れいっ..!!....





これで全部終わる



きっとこれが正解だった



私を呼ぶ声が、泣きじゃくる声が聞こえてくる



でも振り返れなかった



振り返ったら、この決断が揺らいでしまうから








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コンコン







怜のおばさん
「怜ちゃん......、大丈夫?ご飯食べれそう...?」
怜
................
怜のおばさん
「お腹痛いの...?体調でも悪い..?」
怜
「....ううん」
怜のおばさん
「....そう....、なにかあったらいつでも呼んでね....?」
怜
「.....うん」




帰ってくるや否や



制服も着替えず、ベッドに飛び込んでしまった



頭が痛い



頭の中のモヤは、晴れるどころか酷くなっていて



体を動かす気力さえも無かった









怜
「......もう....どうでもいいや....」



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翌日








生徒
おい..!!大ニュースだぞ..!!!?
生徒1
どうしたの?
生徒2
3組のレイと4組のジウォン.....
生徒
別れたらしいぜ..!?




怜
...........


どこからか漏れた私たちの別れ話で盛り上がる



生徒達を横目に、急ぎ足で教室へと向かう



怜
(....頭....痛い....)







怜
.....はぁ........
生徒
レイっ...!?!!
怜
...ん...?あ、おはよ..
生徒
おはようじゃないよ...!!ちょっとこっち来てっ..!!
怜
え...うわっ....



友人に急かされ、自分の椅子へと座らせられる



見回せばいつの間にかクラスの大半に囲まれていた









怜
...え...えっと.....
生徒
なんで..!!なんで別れちゃったの...!!?!
怜
...あ.....えっと.....
生徒1
ジウォンちゃん、レイの事大好きだったでしょっ..!?どうしちゃったのさ...!!
怜
.......そんな事言われても......
男子生徒2
どうせあいつらになんか言われたんだろ、マジで乗り込もうぜあいつらのクラス
男子生徒3
ほんときったねーよな、あいつら.....
生徒2
レイ、今からでも遅くないよ....、絶対別れちゃダメだって....!!



うるさい



もう、どうでも良いんだから



どの道、自分が楽になるために恋人を裏切った私に



彼女と再び幸せになって良い権利なんてない










怜
.....ごめん、ちょっと頭痛いんだ
怜
しばらくほっといてほしい.....お願い
生徒2
あ.....ご、ごめんね.....




良いんだこれで



もう、これで満足でしょ



誰も関わらないでよ







怜
(...ほっといてよ....)




一限の予鈴が遠くで聞こえる気がする



でも、顔を上げることはなかった







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教師
え...えっと〜....今日の休みは......チャン・ウォニョンだけ..だな.......あーえー.....



男子生徒3
やばい、俺の時代来た感じ...?笑
男子生徒1
お前なんて相手にされねーよ...笑
生徒2
ほら言ったじゃん笑、絶対すぐ別れるって
生徒
にしても男子騒ぎすぎ〜笑




教師
であるので......えー...今日も...元気にやるように〜じゃあ終わり..






先生の言葉を皮切りに続々と机に群がり始める



心底気持ち悪い人達だ






男子生徒1
ねーー別れたってマジ?!?俺にもチャンスある??笑
ジウォン
ジウォン
...........
男子生徒3
バカ笑、お前は絶対無理だって笑
生徒
今度皆で遊びに行こうよ〜別れる前は全然遊んでくれなかったじゃん〜笑



きっとこの人達は



自分達がレイを苦しめたなんて



微塵も思っていないんだろう



こう思うと、前の学校の生徒達の方が



まだ救いようがある気がした







生徒
あ、どこ行くの?
ジウォン
ジウォン
......あのさ
男子生徒3
うん..!!なになに??






ジウォン
ジウォン
.......話しかけないでくれませんか?気分が悪いので、
男子生徒1
...え.?
生徒2
...え、えっと......






ジウォン
ジウォン
(.....レイ以外...いらない....誰も...)






もう放っておいてよ














ジウォン
ジウォン
....れいっ.......泣.......





レイがいないなら



傍にいてくれないなら



もう、ここに来る意味なんてないよ






ジウォン
ジウォン
..........っ..泣


















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