試験4日目――
朝、あなたの下の名前は鉢の前に座る前に、再び王宮の図書館へ向かった。
今日は魔力の扱い方について書かれた本を借りるつもりだ。
ステラに関する書物も気になったけれど、禁書指定されており持ち出すことはできなかった。
図書館の静かな空間で、あなたの下の名前は椅子に腰かけ、本を開く。
ページをめくると、魔力を流すための基礎的な方法が図解とともに説明されている。
「魔力は『意識』だけでなく『媒体』を通すと流れやすい。
特に水は初歩的だが非常に扱いやすい媒体である。
土壌や鉢植えの水分に意識を集中させることで、魔力は自然に伝わる。
また、魔力を強制的に流すのではなく、『共鳴』させる感覚が大切。
強く押し込めば枯死の原因になる」
さらにページを進めると、水を通じて魔力を与える際の注意点が書かれていた。
「魔力は感情や意志の影響を受けやすい。焦りや怒りは必ず植物に伝わる。
呼吸を整え、落ち着いた心で魔力を流すこと。
小さな変化を観察し、過剰な干渉は避けること」
ページを閉じ、あなたの下の名前は再び鉢の前に戻る。
手にした魔力の知識を頭に描きながら、今日こそ植物と「呼吸を合わせる」挑戦をしようと決意した。
スングァンもそばにいない。誓約のため助言も不可。
あなたの下の名前は自分の力だけで、魔力を植物に流す感覚を探ろうと深呼吸した。
手を土の上に置き、ゆっくりと心を落ち着ける。
水の湿り気を意識し、手から魔力を伝える。
ほんのわずかだが、種が土の中で微かに震えるような感覚が伝わってきた。
あなたの下の名前は息を止めず、魔力の流れと植物の反応に意識を集中させる。
小さな一歩。だが、これが氷華を咲かせる挑戦の始まりだった。













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。