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第15話

過去
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2020/08/26 08:13
あなた

リヴァイ……?

リヴァイ・アッカーマン
リヴァイ・アッカーマン
あなた…か?
_____________________
私は元々地下街出身。

お父さんはお金を稼ぎに、
私とお母さんは買い物に、

でも、地下街は入り組んでいる為よく迷子になる。
その度その度に助けてくれるおじさんがいる。

毎回名前を聞くけど教えてくれない。

?「教える程の名は持ち合わせちゃいねぇよ」

と。
私とおじさんが出会ったのは1か月前。

今日も迷子になった。

あなた「おかーさーん…」

地下街では強い者が生き、
弱い者は死ぬ。

私は弱い者。

お母さんがいないかとあるお店に入った。

そこの店主は雰囲気が悪く、
不機嫌そうだった。

あなた「おかーさーん……おかーさーん」

店主「うるせぇな餓鬼ィここが何屋なのかわかってんのかァ?あぁ?」

それと同時に私に銃口を向けてくる。

あなた「ひっ…」

そのお店の壁を見渡すと、銃。
大きい物から小さい物まで沢山。

こんなもの集めて何が楽しいのか…

店主「餓鬼が来る場所じゃねェんだよォ…早く出てけよ!」

あなた「待って!お母さんは!お母さん来てない?!」

店主「あぁ?来てるわけねェだろうがよォ?黙らねェと喋れなくなるぞォ?」

?「おいおいあんちゃんよぉ。子供殺してどうなんだよ…」

その時、おじさんに出会った。

店主「此処地下街だと弱い者は死ぬ以外の道ねェんだ」

?「そんな誰彼構わず殺してよ、心は痛まないのか?」

店主「お前に何がわかんだよォ?!お前も殺すぞ!」

パンッ!

急な銃声。
思わず目を瞑った。

?「よっ…と。」

店主「は、はァ?」

?「舐めてると痛い目見んぞ…」

そのおじさんは見た目によらず優しかった。
黄土色のトレンチコートに
深く被った帽子。
背がスラッと高くて、
当時4歳の私がおじさんの前に立つと
目の前はおじさんの太腿。

店主「お、覚えとけェ!!全員出てけ!!」

そう店主が言い放った。
それと同時にザワザワとざわめく店内。

それでも素直に出ていく客。

その流れに乗って私とおじさんも外へ出る。

あなた「おじさん…ありがとっ!!」

?「お礼される程のこたぁしてねぇよ。」

その後俯いた。
なんて言おうか迷っていた。

"おじさん名前は?"

と聞くことを決めて再度顔を上げると
おじさんはいなかった。

その変わりに
辺りをきょろきょろと見渡しているお母さん。

あなた「っ!お母さん!!」

お母さん「あなた!!よかった!無事だったのね」

あなた「うん!!」

その時はお母さんに会えた嬉しみで
おじさんの事なんて忘れていた。

今日もお母さんと買い物。

今日は入り組んでいるような場所へは行かないから
迷子になる心配はない。

筈なのに…

迷子になりました。

おじさんは毎回助けてくれるわけじゃない。
おじさん以外は助けてくれることも無い。

おじさん以外の人は私を冷ややかなめで見る。

?「また迷子になったのかい嬢ちゃん」

あなた「っ!おじさん!!」

?「今日は?どこ行く予定だったの?」

あなた「う〜んとね…八百屋さん!」

?「八百屋さん?!八百屋さんって反対側だぞ?」

あなた「ぇ…そうなの…?」

?「うん…」

グゥゥ~

?「腹減ってるのか?」

あなた「お腹空いた…」

?「近くに俺の家あるから行くぞ?」

あなた「本当っ?!」

?「おう!豪華な食い物は出してやれねぇが水くらいならあると思うぜ」

あなた「やった!!おじさんありがとう!」

そして私はおじさんについていった。

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