窓から差し込む光とそよ風が朝を教えながら高貴は話していたなぁ…
布団の中さえ冷えていたとある朝
誰にも会いたくなくて、俺は太陽を睨んでいた
…その時、確かに見たんだ
__________結露越しの街に白い翼を見た
間違いなくお前は、俺の天使だ
幸福の定義さえ覆る程に綺麗なその瞳に全てを奪われた
……嗚呼、綺麗だなぁ
もう嫌になったんだ全部、今はひたすらお前と
もっと…否、もうちょっといたいなって…そう思った
お前はずっと困惑していたけど、俺は静かに力強く、そして暗い方は見ないで抱きしめた
ドラマを“あいつ”と見るのが好きだった
“あいつ”と見る甘いハッピーエンドに浸っては、眠るのが好きだった
…今日も窓から差し込む光とそよ風が朝を教えた
此処にないもの
此処に“居ない”人
時が止まってこの場所から連れ出してくれたら__________
幸福の定義さえ覆る程に薬漬けでも構わない
俺は、夢を見ていたいだけ
もう嫌になったんだ、全部
今はただひたすらお前と一緒にいたいだけだ
間違いなくお前は俺の天使だった
光が差すバルコニーから手を伸ばして、手を掴んだんだ
でも、それも意味なくて…
もう嫌になったんだ、全部
今はひたすらお前といっそ、天国が見たいなって思ったんだ
だから俺は、暗い方は見ないで飛びたっていくんだ
【NEXT】回る空うさぎ
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。