第19話

拾捌
38
2026/01/31 13:22 更新
 赤城side
 拠点のラウンジ。

 ソファに座って、
 缶を開ける。

 プシュ。

 いつもの音。

 いつもの時間。




 ……のはず。

 向かいで、
 イッテツとあなたが
 カウンターの方で立っている。

 距離は、
 前と同じくらい。

 でも。

 空気が、
 違う。
akg
 ねぇ 
 僕が声をかける。

 二人とも、
 一瞬遅れて反応する。
 あ、なに? 
sik
 …どうした? 
 被らない。

 前なら、
 被ってた。




 ……あれ?

 あなたは、
 イッテツを見ない。

 イッテツも、
 あなたを見ない。

 同じ方向を向いてるのに、
 視線だけ、
 交わらない。
akg
 ……疲れてんの?w 
 冗談っぽく言う。
sik
 平気だよ 
 …別に 
 またタイミングがずれる。

 ほんの、
 一拍。
akg
 ふーん 
 缶を持ち替える。

 視界の端で、
 あなたがベルトを触る。

 指で、
 弾きかけて、
 やめる。







 ……やめる?

 前は、
 気にせずやってた。

 イッテツも、
 気づいた顔をする。

 でも、
 何も言わない。
akg
 今日、任務どうだった? 
 普通 
sik
 …問題なかった 
akg
 ……ケンカ? 
 聞いてみる。

 二人とも、
 首を横に振る。

 同時に。

 それだけは、
 合う。
akg
 じゃあ、なんだよ 
 答えは返ってこない。

 二人から離れて
 遠くのソファに座る。

 二人とも、
 お互いに
 気づいてないな…
hbc
 ウェン 
 マナが横から来る。
akg
 なに? 
hbc
 気づいた? 
akg
 やっぱり? 
 視線の先。

 並んでるのに、
 別々の場所にいるみたいな、
 あの感じ。
hbc
 でも、前より
 離れてるよな 
akg
 物理じゃなくてね 
hbc
 ……近くなりすぎた反動やろ 
 イッテツが、
 一瞬だけ、
 あなたを見る。

 あなたは、
 気づかない。

 その視線が、
 宙に落ちる。
akg
 本人ら、
 自覚ないやつだな 
 マナが、
 肩をすくめる。
hbc
 一番、厄介やん 
 ラウンジは、
 いつも通り。

 笑い声も、
 ある。

 なのに。

 あの二人の間だけ、
 音が、少ない。

 何があったか知らないけど
 二人はすれ違ってる。

 それだけは
 第三者視点でも
 わかる。

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