あなたside
蘭くんと話をした後
学校のベンチに座って気持ちの整理をしたかった
どこかに座って気持ちを整えたかった
その言葉を思い出すだけで
涙がこぼれ落ちてしまう
蘭くんが困惑して言ったとしても
私が「うん」と言ったら別れることになる
そんな状況を2人の間で作ってしまったこと
悲しくなって涙が止まらなくなる
私、今日泣きすぎだな、
いつからそこにいたのか
私の後ろにイザナくんが立っていた
泣かれてるのを見られた、。
『お前まだ泣いてんぞ』と私の横に座り
さぁ、話せ?とでも言いたそうな顔で
私に体を寄せてきた
「別れよう」と言われたこと
我慢できなくて叩いてしまったこと
蘭くんも頭の中で混乱していること
やっぱりちょっと考えさせてと言われたこと
全部、話した。
イザナくんは眠そうな顔で聞いていたけど
私が話終わると「ふーん」と言って
と言い、私の手をぎゅっと握った
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!