何分経ったのだろうか。
夾兄から呼ばれていたみたいだ。
私が気づいた瞬間夾兄はそっぽを向きゆっくりと立ち上がった
そう言って私に背を向ける。
何故?何故一緒に戻ると言ってくれているの?
夾兄の後ろを歩きながら教室へ戻る…。
こんなこといつぶりだろうか…。
子供の頃は良くこうやって後ろを付いて回って
ずっと一緒に歩いていた。
夾兄の背中はいつの間にか大きくなっていて
とても頼もしい背中だった。
あぁ、こんなこと……昔あったな…………。
あのときも自分が心配だからって言う事は言わずにお師匠様を出してきて……
顔を真っ赤にしながら言っていた………。
夾兄は前を向いていて顔は見えなかったが
耳が少し赤くなっているのが分かった。
教室に入ると透さんが立ち上がった。
透さんが私にそう言うと
後ろから由希が話しかけてきた。
由希はそう言い微笑んだ。
いつの間にか夾兄は席に着いており、
私の周りには姫島さんと魚谷さんもいた。
5限、6限が終わり、私は帰る準備をしていた。
今までは1人で帰ることが多かったためこのように一緒に帰る人がいることが少し嬉しかった…。
母は基本料理を作らない人だった。
だから自分で勉強してそこまで美味しくはないが料理できるようになった。
自分が作る中で好きなものは何もない…。
そもそも同じようなご飯しか食べていないから………。
パッと頭に浮かんだ言葉……。
カレーは作ろうとしていたが結局1回も作らず
味も何も知らない………。
食べてみたいと思っていた………。
私の言葉を聞きとても嬉しそうに透さんは歩いていた。
その姿を見ていると私も少し嬉しくなった…………。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。