第3話

祭り後
27
2021/07/07 11:06
目覚めたのは救急所だった
レイ
レイ
ッ…此処は…
男1
男1
やっと起きたか
レイ
レイ
あの…此処は…
男1
男1
んな事より、これ。お前の友達から預かったんだ
男は手紙を差し出してきた

見たことある…ような字体で、

大好きなレイへ、と書かれていた

正直怖かった。誰かも分からないやつからの手紙で、

大好き、なんて書かれてて。

気持ち悪い…とも思ってしまった、
レイ
レイ
…有り難うございます
だが俺は受け取った。

受け取らないと…と思ったんだ
男1
男1
じゃ、用はそれだけだ
男1
男1
落ち着いたら帰るんだぞ
レイ
レイ
…はい
男は去り、俺は部屋に一人になった
レイ
レイ
ッ…なんだ…?
涙が…流れていた
泣くような事を言われたわけでも

痛みがあるわけでもない…
レイ
レイ
なん…で…ッ…
泣き止もうとすればする程涙は止まらなくなる
拭っても拭っても止まらない涙に戸惑い
何かを忘れてしまった気がする自分に腹が立ち
レイ
レイ
何なん…だよ、なんで…俺は泣いて…
何かが聞こえた
もちろん、外は祭りの後片付けで忙しいから
音なんか溢れている…けど、それとは違う
レイ
レイ
…救急車…?
女の子
女の子
レイお兄ちゃん!
レイ
レイ
ビクッ…だ、誰だよ…
女の子
女の子
早く来て!⬛⬛お兄ちゃんが!
レイ
レイ
ッ…ぅ…
頭が…痛い…
言葉が耳に入ってこない
酷いノイズ音が邪魔をする
痛い…痛い痛い痛い…
女の子
女の子
レイ…お兄ちゃん?
俺は駆け出していた
名前も知らない女の子が俺の名前を呼んでいる
あんな小さな子を無視するなんて俺は最低だ…
だが今は逃げたかった
あの場に…居たくなかった
レイ
レイ
…ハァ…ハァ…
肩で大きく息をする
呼吸が上手くできない…苦しい…
レイ
レイ
ッ…((ゴホッ…ゴホッ
レイ
レイ
ハァ…ハァ……だいぶ走ったな…
堤防に座り、状況を整理する
レイ
レイ
取り敢えず…あの女の子は誰だ…?
レイ
レイ
なんで俺の名前を知ってたんだ…
レイ
レイ
駄目だ…考えれば考えるほど頭にモヤがかかる
レイ
レイ
…俺はどうしちまったんだ

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