放課後の時間が、刻々と近づいてくる
私は机の中にある容器を握りしめた
本当にやるの?
いくらいじめられてたとはいえ…流石に殺すのは…
みんなが次々と教室を出ていく
早く決断しないと
やるの…?やらないの…?
ピーンポーンパーンポーン
生徒の呼び出しをします
3年2組 ◯◯さん、××さん △△さん
西棟の3階空き教室まで来てください
繰り返します
あの人だ
魔法使いが呼び出したんだ
どうしよう…どうしよう…
ドンッ
迷う必要なんてなかった
こいつらに慈悲なんていらない
3人の女子生徒が、空き教室にきていた
西棟はずいぶん前から使われておらず
かなり埃が溜まっている
しばらくすると、教室の前のドアが少し空いた
パリンッ
ドアの隙間から何かが投げ込まれた
香水のような、透明な液体
クラスメイト1人が割れた容器に近づいた
バタッ
その瞬間、その場に倒れた
もうひとりのクラスメイトが心配して近づいた
その瞬間に倒れた
なにが起きてるの!?なんで倒れてるの!?
2人はぴくりとも動かなかった
え………
まさか…死んでる?
ーーーーー
口元に何かが伝う感触
拭うと
赤黒いものが、垂れた
吐血…………
あれだ、あの香水みたいなやつだ
あれ毒か何かだったんだ!!
早くこの教室から出ないと
私は袖で口と鼻を押さえ出口を探した
前のドアは近くに毒があるから近づけない
後ろのドア、
ガタッ、ガタガタガタッ
開かない
なんで!?!?
窓…窓開けて、外の空気を…
開かない
錆び付いてるんだ
いやだ、誰か…ッ助けて
コン コン コン
前のドアからノックが聞こえた
コン コン コン
またノック
コン コン コン
前のドアにこいってこと?
外からも後ろは開かないの?
でも前には…毒が…
すぐに外に出れば‥きっと…
私はもう一度しっかり鼻と口を塞ぎ
前のドアへ走った
ドアを隔てて見る彼女の顔は真っ青だった
苦しそうな彼女の後ろには、割れた容器と2人の死体
あとはこの子だけ
私は右手に鍵を持ちながら、彼女を見つめていた
彼女は最期までドアを叩きながら、もがき苦しんだ
教室に戻ると魔法使いがいた
今の私には、魔法使いさんに対する疑問も不安も全てなくなっていた
そう言って、白く、綺麗な手を私に差し出した
その時初めて魔法使いさんの顔が見えた
それはまるで、天界から降りてきた女神のように
暖かい聖母のような、美しい姿だった
私は、差し出されて手を握った
ずっと、ずっとそばにいる
この人は私の
女神なんだから
川の字に並べられた女子高生の遺体に手を合わせる
赤木場はブルーシートの上に並べられた遺留品を見て、加えていたタバコを落とした
ガラスの破片に手を伸ばす
赤木場は百野から手袋を受け取り、
破片の一欠片を手に取った
その破片の先には青い宝石がついていて












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。