街の散策を続けていると、町から少し離れ、賑やかな声が聞こえなくなり静かになったところに、まるでときが止まっているかのような図書館があった。
いわゆる図書館であり、ネクタリア最大の人工知能が運営し管理する記憶の中枢でもあるらしい。
建物の外観は古代都市を模したような、白く、重厚な作りとなっていた。造りの様々に所々機械の枝が這うように広がっている。
ユイは圧倒されたように見上げる。
街の一角に位置するとは思えないような空気があった。
さっきとは打って変わって澄み切っていた。
出るはずの無い唾を飲み込み、大きな扉を開ける。
中に入ると、上から光が差し込み、大量の本と人工知能の機械があった。
中は広大で、天井のはるか上まで本棚が伸びていた。
本が空中を浮き、飛んでいる。不思議な光景だった。
ホログラムが漂い、静かに書物が空中を行き交う様子は、まるで知識そのものが生きているようだった。
どこからともなく声が響く
初めて聞く名前に心がざわつく。
それはユイに割り当てられている番号と型番のようなものであった。
そう言うと、画面上にYES NOの文字が表示され、文章が出てくる。
ユイは大きく頷き、息を吸う












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。