ずっと、2人で生きてきた。
君がいるから、生きてこれた。
君がいるからー⋯
___________________________
僕は泣いていた。
違う。僕は泣くべきじゃない。そんなお間違いなことはするべきじゃない。
なのに、
なのに⋯
僕の気も、知らないで。
いや、知る由もないだろう。
だって僕は、ずっと自分の感情を殺してきた。
全部全部、莉犬と一緒にいるために。
莉犬の隣で、笑うために。
なのに⋯ー
何が、幸せにならなきゃいけない、だ。
何が、ここには居られない、だ。
そんなの、莉犬が言えることじゃないんだ。
だから、駄目なんだよ。
勝手に楽になるなんて、そんなの駄目なんだ。
莉犬は、ちゃんと責任を取らなきゃいけないんだ。
勝手にどっか行くなんて、そんなのー⋯
莉犬の顔が歪む。
大きな目に、涙が浮かんだ。
ー分かってる。
こんなこと、莉犬に言うべきじゃない。
莉犬を、困らせてる。
莉犬を、苦しめてる。
だけど、こんなこと言わせたのは莉犬だ。
僕を苦しめてるのは、莉犬だ。
莉犬の瞳が揺れた。
_____ずっと、ずーっと、莉犬が好きだったよ。
___________________________
「ずっと、そばにいる」
___________________________
___________________________
わかっていた。
本当は君の方がずっと辛いって。
ー僕が逃げたあの教室で、莉犬はずっと戦っていたんだから。
___________________________
莉犬が悲痛な叫び声を上げる。
真っ直ぐに君の目を見つめる。
伝わるかなんてわかんないけど。
これが僕の気持ちの全部なんだ。
⋯莉犬が、大切なんだ。
喘ぐように呼吸をする莉犬。
体が熱い。
足が震える。
頭がくらくらする。
莉犬は、泣き笑いのような表情で僕を悲しそうに見つめていた。
口を押さえる。
言葉がぐちゃぐちゃになって暴れていた。
涙が次々と溢れ、僕の頬を濡らしていく。
目の前の莉犬がぼやける。
ーどうして。どうして、どうして⋯!
莉犬にはもう、僕の言葉は届かないのかな。
莉犬が、ずっと後ろにやっていた手を前に持ってきた。
その手が握っていたのは⋯ー
僕は目を見開く。
馬鹿、馬鹿、馬鹿⋯!
莉犬は、いつから⋯ー
ずっと⋯?
ずっと、最初から、ずっと⋯!
呼吸がふっと浅くなる。
僅かに差し込む光でギラリと鈍く光るそれは、莉犬に向けられていた。
静かで、深い沈黙が落ちる。
莉犬はうなだれて、ぎこちなく手をおろした。
莉犬は、僕を見ない。
それが莉犬の罪悪感なら、莉犬は一体、何でこんなことをしてるんだろう。
何で僕らは、幸せになれないのかな。
⋯もう、遅かったのかなぁ。
じゃあ、最後に言いたいのは何だ。
⋯僕が莉犬に言いたいことなんて、ずっと、1つしかなかったじゃないか。
馬鹿だなぁ。本当に、馬鹿だなぁ⋯。
柔らかい声だった。
僕が大好きな、優しい声だった。
ずっと僕を守ってくれた声だった。
世界が壊れた音がした。
___________________________
(初めての登場につき、口調とテンション迷子
あと、クライマックスで宣伝入れてごめんw)












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。