第4話

中学
15
2025/01/14 12:41 更新
そして中学校。

少女は1年生の頃はクラスがクラスだったこともあり、感情を、心を、全て捨てていました。

何をするにも何も考えられず何も感じ取れず、ただの人形となっていました。
仲の良い友達とは離れ、自分でもわかるぐらいの性格の捻くれさ。
少女は記憶のある限り、そのときが一番どん底にいたといえるでしょう。
唯一の救いだったのは悠と同じクラスだったこと。
しかし、悠は少女のことを何とも思っていないようでした。

少女は複雑な気持ちでいっぱいでした。

そんな中、出会ったのが甲斐崎 由愛かいざき ゆあだったのです。

ハッキリ言うと、少女は初めは由愛のことが嫌いだったのです。

彼女は生徒代表で選ばれ、入学式で壇上にまで上がりました。
当時、有名人なほど嫌いだった少女は彼女のことが大嫌いでした。

しかし、由愛は唯一、少女の心を救った人なのです。

由愛と少女はアニメや漫画、ドラマ、俳優、声優など…お互いの趣味の話が合ったのです。
少女は由愛と話すと楽しく、心が躍ったのです。

少女のどん底のモノクロのような世界は由愛と出会うことで、世界に再び色がついたのです。

少女は普通の友達に話せないようなことは大体のことは由愛に話していました。

それこそ、一年生の1学期前半は有名人が大嫌いだったし、以前から全く興味がなかったものを今更ハマったなんて小学校からの親友である瑠未にでも話すのを躊躇しました。
「あんなことを言っていたのに…」
と引かれるのを恐れたからです。

少女は一年生のころはアニメが大好きで声優をよく調べては彼女と話していました。
そして、2年生にはドラマが大好きで、二宮和也さん、綾野剛さんと星野源さんにハマっており、それも由愛に話していました。

それこそ悠のことを相談し続けました。
そしてその結果、少女は悠と別れることを決めたのでした。
少女は自分が思っていたより傷はなかった…
と思いたかったのですが、由愛に
甲斐崎 由愛かいさき ゆあ
よく頑張ってね
と言われれば涙が溢れました。
少女は本当に、心の底から、彼が…悠が大好きだったのです。
この世の何よりも、誰よりも…
それでも少女が別れると言う決断に至ったのは悠は優し過ぎて自分を傷つけてしまうんじゃないかと遠慮しているんじゃないかと感じたからです。
少女は後悔はしていません。
これで彼が自由になれるのならと決めたことですから。

例え、別れて一年経っても彼のことが忘れられなくても
少女はこれでいいのです。

由愛はそんな少女を優しく抱きしめてくれました。
ああ、この人は本当に自分を応援してくれていたんだと少女はその時痛感したのです。

しかし、そんな由愛に話したくとも話せないことだってあります。

少女はボーイズラブ、所謂BLが小学生の頃から大好きだったのです。
少女は語りたくて語りたくて仕方がありませんでした。
だけど、由愛はそういうものは受け入れらられない人だったのです。
甲斐崎 由愛かいさき ゆあ
否定するつもりはないけど…ちょっと…気持ち悪い…
_雀宮 亥鈴@すずみや いすず_
雀宮 亥鈴すずみや いすず
おいおいw多様性の時代だぞーw!
甲斐崎 由愛かいさき ゆあ
それはわかってるけど!w
少女はその言葉が心に刺さりました。
_雀宮 亥鈴@すずみや いすず_
雀宮 亥鈴すずみや いすず
(その由愛が気持ち悪いって言ってるものを好きな人だっているんだよ、?)
少女は大切な人に大切なものを傷つけられ、また深い場所へ潜ろうとしていました。

しかし、少女はそういう普通の友達には話せないようなことを全て曝け出せる相手を見つけたのです。

それは鏑木 蘭かぶらぎ らんでした。彼女は普通とは少しずれていました。
自分のことは俺と呼び、体も大きく、力もある。
普通の女の子とは言い切れませんでした。
そんな彼女に少女は依存とまでは言いませんが、心酔していたのです。

少女は何でも彼女に話しました。
女の子ならではの悩みや、俳優、アイドル、BL、…瑠未や由愛にも話していないようなことを全て。
そうして少女と彼女は相棒と呼べる存在になったのです。

しかし、中学生で忘れてはいけないのは部活動。

少女は当初、陸上部と美術部を掛け持ちしていました。
美術の活動は少なかったのでそこまで辛くはありませんでした。
陸上も友達とは仲が良かったので、楽しかったのです。

それでも、少女の心はボロボロでした。

理由は単純なものです。






周りからの期待






それだけで、一人の人など押しつぶされるものです。

少女の同じ学年でも次元が違う人などたくさんです。
その中でも努力するのが当たり前。
少女はわかっていました。
理解していました。
その上で少女は逃げたのです。
藤村 晴ふじむら はる
陸上戻ってこいって〜
倉技 晃くらぎ ひかる
後輩待ってるぞ〜!
_雀宮 亥鈴@すずみや いすず_
雀宮 亥鈴すずみや いすず
あ、遠慮しときマース!w
少女は陸上部でも仲の良かった男子生徒の晴と晃によく戻ってこいと言われましたが、その言葉が少女の心を傷つけているか、彼らはわからないのでしょう。
実限 梨々花みかぎ りりか
さすが陸上部〜
佐々木 真矢ささき まや
陸上部だもんね〜
ああ、言わないで


陸上部だから


嫌だ


やめて


少女はその言葉が大嫌いでした。
「陸上部だから」その言葉が。



お願いだから言わないで



何度そう願ったことでしょう?

しかし、陸上部をやめてもそれは止まりませんでした。
実限 梨々花みかぎ りりか
元陸上部に勝てるわけないって!w
佐々木 真矢ささき まや
よっ!元陸上部!w
ああ、どうして人間はこうなのでしょう?
どうしてその言葉が重しになるとわからないのでしょう?

少女は嫌で嫌でたまりませんでした。

それでも寄り添ってくれたのが由愛と蘭でした。
二人だけはそんな言葉は言わずに、
甲斐崎 由愛かいさき ゆあ
お疲れ様!
鏑木 蘭かぶらぎ らん
めっちゃ頑張ったな〜!
と、少女自身を見てくれたのです。

「陸上部だから」「美術部だから」
そんなフィルター越しではなく、涼宮亥鈴という人間一人を見てくれていたのです。

そして、もう一人、少女自身を見てくれ、趣味の話も合ったのが抹茶でした。
彼女は好きなことに真っ直ぐで、よく少女のクラスに来ては話していました。
漫画も貸してくれ、彼女もまた親友と呼べる人でした。


だから少女は生きていられました。
だから少女は死にたいという気持ちは薄れました。



この時が少女にとって、いちばんの幸福時でした。
























































だから






































































だからこそ













































































少女の太陽は沈んだのです

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