少女は成長し、高校生にまでなりました。
由愛や蘭、奈緒美、奈々、悠、魁斗、翔との誰とも同じ学校は行けませんでしたが、抹茶だけは同じでした。
そして新しく親しくなったのは時雨と酉伊でした。
二人とも大事な親友にまでなりました。
少女は幸せ絶頂だった気分とは裏腹に、その心はドス黒いものでした。
手首には赤い花を咲かせ、胃には毒を入れ続けました。
明るく、ノリも良く、空気が読める…そんな亥鈴という仮面を少女は被り続けていました。
それは親友である雨と鳥にも、相棒である茶でもわからないものでした。
亥鈴saidジャラ…
ゴクッ
もう死にたい
消えたい
いなくなってしまいたい
いつからかな〜…
こんなになったのって…
ふと鏡を見た
そこには疲れ果てているのか、目つきが悪く、ギリギリコンシーラーでわからないようになっている大きな隈を持っている俺が映っていた
俺はとうとう薬と手首の傷を隠すためのファンデを持ち歩くようになった。
そして、俺は皆んなの元へと急いだ。
あまり遅すぎると怪しまれるから。
そう言って走り去る時雨。
俺は時雨の言葉を聞いて時計を確認する。
確かにあと5分でチャイムが鳴るはずだ。
そう言い、手を振りながら歩いていく抹茶。
抹茶は4組、時雨は2組、酉伊と俺は同じクラスで1組だ。
4クラスある中で二人が同じクラスになれたのは嬉しいこと…
なんだろうな…
俺は一人が良かった。
そのほうがまだ気楽でいられる。
そのほうがまだ亥鈴という仮面を被る比率も下がると思った。
俺は授業中でさえ吐き気があることもある。
その時は静かに、バレないように薬を飲む必要があった。
酉伊からはギリギリ見えないか見えるかの席の位置だったから多分バレてはいない…と思う。
よく分からないところで勘がいい時があるからな、アイツ…(
時には切ることもあった。
切っていることも多分誰もにもバレてない…と思う
バレたらどうしようとか、切ってたり飲んでたりしてると思わなくなった。
今はただこの快楽に溺れていたい
NOsaid
少女は高一はずっとずっとそうして過ごしてきました。
薬とリスカに溺れる日々…
少女は毎日が苦痛でした。
少女は仮面を被り続け、手首に赤い花を咲かせ続け、体に毒を回し続けました。
少女は疲れてきっていたのです。
この世界に
この人生に
この日常に
この学年に
この家族に
この友人関係に
何もかもが嫌で、何度もこの物語を終わらせようと考えたか数えられないほどでした。
けれど、それを実行に行えない自分も
友達を信じきれない自分も
家族を好きになれない自分も
自分の全てが嫌いだったのです。
















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。