第300話

Episode297…2年ぶりの再会
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2026/02/26 11:00 更新
あたしは断り切れず

少しだけ黒尾さんと話すことになり

ロビーにある長椅子に座った。
黒尾 鉄朗
ちょうど2年ぶりだな。
あなた
そうですね。
黒尾 鉄朗
元気だったか?
あなた
はい…
黒尾 鉄朗
てか、お嬢さん…
何も言わずに留学しちゃうなんて冷たいんじゃないの?
あなた
え…だって…
最後に会った時、あたし達、もう会わないみたいな雰囲気だったじゃないですか…
黒尾 鉄朗
まぁ…確かにそうだったかもな。
で、英語話せるようになったのか?
あなた
まぁ、それなりには。
黒尾 鉄朗
すげぇなぁ〜。
てか…あなた、綺麗になったな。
あなた
は!?
何ですか、いきなり////
黒尾 鉄朗
1年の時は可愛いって感じだったけど、大人っぽくなったなと思って。
あなた
そりゃ、もう18歳なので。
一応、成人ですから。
黒尾 鉄朗
18かぁ…
なぁ、今、付き合ってるヤツいるのか?
あなた
…いないですよ。
今は、受験が優先なので。
黒尾 鉄朗
受験生かぁ〜懐かしいわ。笑
東京来るのか?
あなた
いえ、地元に残ります。
黒尾 鉄朗
そっか…
あなた
黒尾さんこそ美人な彼女がいるって聞きましたけど、今日は一緒じゃないんですか?
黒尾 鉄朗
あ、あぁ…やっぱ聞いたか。笑
彼女は、今日は来てねぇよ。
あなた
残念、あたしも見たかったのに。笑
黒尾 鉄朗
……………
あなた
黒尾さんが、幸せそうで良かったです。
黒尾 鉄朗
え?
あなた
あ、もう行かなきゃ。
試合始まっちゃう。

立ち上がると

黒尾さんに腕を掴まれる。
あなた
え…何ですか?
黒尾 鉄朗
連絡先!
連絡先教えてくれ。

黒尾さんに言われ

一瞬悩んだ。

でも

中途半端に繋がっても

また誰かが傷つくだけだと思った。
あなた
ごめんなさい。
黒尾さんの彼女に申し訳ないので、
それは出来ません。
あたしが逆の立場でもイヤなので。
黒尾 鉄朗
…悪い。
そうだよな。

黒尾さんは

一瞬悲しそうな顔をして

あたしの手を離した。
あなた
黒尾さん、お幸せに。
じゃ、失礼します。

そう言って

黒尾さんにお辞儀をして

あたしはその場を去った。




♯黒尾side



「黒尾さん、お幸せに。」

そう言って

あなたは去って行った。


幸せに…か。


幸せって何なんだろうな。

俺が幸せだったのは

いつだってあなたといた時だった。



自分が勝手に諦めたくせに

ずっと忘れられなくて

忘れるために他の女と付き合った。



でも



どんなに美人でもスタイルが良くても

俺の中からあなたの存在を

消してくれる女はいなかった。



そして

再会したあなたは

さらにいい女になっていて…

今度こそ繋ぎ止めたかったけど

それは叶わず

俺の手をすり抜けて行った___

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