3日目は、3回戦と準々決勝が行われる。
魔の3日目だ。
試合には順調に勝っていたし
特段大きなミスもない。
でも、なんか、やっぱり…
月島くんの様子が変だなと感じていた。
聞いても「何もない」と言うので
しつこくも出来ず
密かに様子をみることにした。
3回戦も勝ち
午後は準々決勝だ。
みんなにお弁当と飲み物を配り
テーピングのチェックをする。
月島くんに声をかけられ
月島くんの指のテーピングをし直す。
自分で言っておきながら
改めて考えると
しんみりして泣きそうになる。
そう言うと
月島くんに手を握られる。
そう言って
月島くんは行ってしまった。
準々決勝が始まる。
1年生の時はここで負けちゃったんだっけ…
でも
今の烏野ならもっと上に行ける気がする。
ウォーミングアップの時間が始まり
あたしと北原さんはコートの脇で
試合が始まるのを待つ。
あたしはお手洗いを済ませ
試合会場に戻ろうと歩いていると
誰かに急に腕を掴まれる。
驚いて振り返ると
そこには黒尾さんがいた。
一昨日見た時は遠かったから
よく分からなかったけど
久々に会う黒尾さんは
高校生の時よりもさらに大人っぽくて
カッコよくなっていた。
2年前の春高で
「元気でな。」と言われて以来の再会。
……言葉が出ない。
断る術がなかった。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。