ドンキホーテ家。
かつてドレスローザを統治していた王家の末裔。
800年前、世界政府発足と同時にリク家に王位を譲り、マリージョアに移住して世界貴族…天竜人となった。
後に【天夜叉】と呼ばれるドンキホーテ・ドフラミンゴと二代目【コラソン】として兄の海賊団へと潜入した海軍中佐……ドンキホーテ・ロシナンテ。
世界貴族としての地位を放棄し、マリージョアを去って世界政府非加盟国に移住したホーミング聖の子供。
本来あるべき原作の家族構成だ。
だがドンキホーテ家に、存在しないはずの人間がこの世界線には存在していた。
ロシナンテの双子の妹であり、ドフラミンゴの二つ下の妹が存在していたのだ。
名前はドンキホーテ・ルクレティア。
愛称は『レティ』。
ホーミング聖の妻であるルクレシア宮の名前から由来している。
母親に似た性格で、とても優しい心の持ち主だった。
兄のドフラミンゴやロシナンテ同様、幼少期は過酷な目にあった。
女性とバレた時は、もう悲惨だった。
大柄な男に辱めを受け、純潔を穢された。
両親や兄達を守ろうと体を張り、何度も身体を暴かれた。
その事もあってか、男性に対する恐怖心が根強くあった。
それでも片割れであるロシナンテ同様、海軍に入隊したのは育ての親であるセンゴクが影響しているのだろう。
彼女は派遣された海軍支部の少佐にまで上り詰めた。
そんな彼女は、後に海軍大将となる中将の男と結婚し、短くも幸せな結婚生活を送った。
彼との間に子供を授かり、帝王切開の末……出産した。
性別は女の子だった。
彼女に瓜二つであり、彼の黒髪を少し引き継いだ女の子。
そう言い残し、彼女はこの世を去った。
享年21歳。
片割れのロシナンテがドンキホーテ海賊団へと潜入する直前の日だった。
旅中にロシナンテは、幼いローに彼女のことを語った。
妹。
ローにもラミという名の、妹が居た。
フレバンス滅亡の際に放火された病院に隠した、自分の妹。
ルクレティア……ロシナンテは『レティ』と愛称で呼んでいるようだ。
中毒の進んだ辛い体調の中、そんな話を聞くのが好きだった。
彼の兄であるドンキホーテ・ドフラミンゴさえも知らないだろう話を聞くのは、とても優越感があった。
暖かくて、柔らかくて、朗らかな声。
優しいコラさんの語る、愛する妹のルクレティアとその娘のあなたの話がローは大好きだった。
ローはたくさんの話を聞いた。
幸福そうな匂い、優しい温度、そうして、自分にはもうあまりにも遠くなった安寧の空気が愛おしかった。
わかる、わかるのだ。
ローは泣きたくなった。
妹の遺した子供がいるというのに、全てを放り出して、自分のためにここにいる。
これが、最後に喋った身内の話だった。
ロシナンテはローを宝箱に隠し、ドフラミンゴの手によってこの世を去った。
会いに行かなければ。
ハートの海賊団を結成した後でも、あなたのことが気掛かりだった。
あなたはマリンフォードではなく、花を好んでいた母ルクレティアにぴったりなフルール島で産まれたそうだ。
フルール島は海賊に襲われて廃墟に成り果てていた。
赤ん坊であったあなたは街の住人によって助けられて、今は別の街で暮らしているそうな。
ローという存在のために、あの人は死んだから。
だからせめて、あなたは幸せにならなくてはいけないのに。
だって、ロシナンテは言ったのだ。
『仲良くしてやってくれ』と。
たった一人、ローの味方であってくれた、優しい人の片割れ…ルクレティアの子供。
探しても、探しても、見つからない。
会ったことなどない。
ただ、名前と髪と瞳の色しか知らない。
だが、どうだっていい。
彼女が、ロシナンテの姪であるというだけで価値がある。
ドフラミンゴの姪でもある?そんなのどうだっていい!
ワイ主、最推しコラさん。
『愛してるぜ』泣いた。
















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。