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ドズさんのくる日。
指定のホテルについて、いつものようにシャワーを浴びて到着を待つ。
時間があまり、手持ち無沙汰になり窓を少しあけタバコを燻らしていた。
いつもより少し早めに着いて準備が終わってしまったのは、前にMENに冷やかされた通り、ドズさんの来る日を楽しみにしてる自分がいたからかもしれない。
今日はどんな企業提案をされるのか…
全く興味のない分野だが、ドズさんの話を聞いていると、自分もなんだってできちゃいそうな…そんな錯覚をしてしまう。
多分、プレゼンが絶妙に上手いんだ。
自分にそんな若さも余裕もないことは承知してるし、今の生活が限界…
でも、ドズさんと笑いながら並んでる自分を思い描いてしまう。
気持ちを打ち消すように、ため息と共に煙を吐き出しタバコを消した。
いくらボンボンとはいえ、ここに通うにも高いし、誰かに見られでもしたら良くない噂をたてられるだろう。
どれだけいい企画してくれても、首を縦に振ることはないしドズさんの時間の無駄になる…
通ってくれるのはありがたいし、体の負担もないし、ドズさんとの時間は好きだ。
だったら、来るなって言わなきゃいいじゃん…と、
もう1人の自分が囁く。
MENに言われた言葉で、気づかないようにしていた気持ちが露わになった気がする。
多分、俺はドズさんに恋愛感情に近い感情を持ってる。
とはいえ、まっすぐ生きてるドズさんみたいな人と俺は釣り合わない。
育ちも生きてる世界も違う。
たまたま出会っただけだ。
気持ちがはっきり、深くなる前に距離をとらなくては…。
時間通りに部屋のチャイムがなる。
ドズさんだ…
一瞬目を閉じ深呼吸をし、目を開ける。
キャストのぼんじゅうるの役を被ってドアを開けた。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。