ある日の任務終わり_
隠れ家へ帰ってきたカラ松を、いつものように迎え入れようとした
いつもは任務へ行く前と変わらない姿で帰ってくる彼だった
しかしその日は、いつもとは違った。
大したもの…ではなかったが、腕を怪我しているようだった
本人は、あまり心配をかけたくないからか、頭をかいて笑っていた
無事で良かった、と心から安心したのはここだけの話
怪我をしたカラ松は兄弟たちに軽くからかわれながらも、笑っていた
肩をすくめて照れ隠しのように笑うカラ松の声に、
あなたの下の名前は少し離れた場所からそっと目を細めていた
よかった。
それだけで、胸の奥がじんわりとあたたかくなる
笑っていてほしい。 生きていてほしい。
それが、今の自分にとって一番大事なことだって、改めて気づく
…だけど
( 今、この気持ちを伝えてしまったら…… )
もし拒まれたら、もし今の関係さえ壊れてしまったら
今の、カラ松の隣に自然といられるこの場所が、なくなってしまう気がした
静かに呟いた声は、夜風にかき消されていった
その目の前では、カラ松が弟たちに軽く頭をどつかれながらも、どこか楽しそうに笑っていた
( それでいい、今は…それでいい。 )
心にしまったその想いは
少しだけ、温かくて、少しだけ、切ない















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。