爆豪視点
広場へ踏み入る。
その瞬間――
ヴィラン達が一斉に振り向いた。
俺は何食わぬ顔で辺りを見回す。
その間にも、背後ではあなたが動いているはずだ。
俺は視線だけを動かす。
岩陰の向こう。
あなたが拘束された隊員達の背後へ回り、縄を切っていた。
よし。
あと少しだ。
――ピキッ。
俺のこめかみに青筋が浮かぶ。
俺の手が小さく震える。
その時、遠くにいるあなたがこちらを見た。
そして、人差し指を口元に当てる。
『抑えてっ。あと二人だから』
と、合図を送ってきた。
……分かってる。
分かってるが――
一瞬だけあなたの方を見ると、顔を赤くし怒っていた。
ヴィラン達が身構える。
俺は手を前へ出した。
掌から、小さな火花が散る。
俺は口角を上げ、火花を散らした
ヴィラン達が一斉に動き出す。
その瞬間――
ドンッ!!
俺は爆破を放ち、一気にヴィラン達へ向かって飛び込んだ。
ヴィランの一人が振り返る。
そこには――
誰もいなかった。
拘束されていた隊員達は、全員解放されている。
そして、その隊員達を安全な場所へ誘導したあなたが、ヴィラン達を見据えて立っていた。
ヴィラン達が一斉に動揺する。
その瞬間――
洞窟の奥や岩陰から、海上自衛隊の隊員たちが次々と姿を現した。
気づけば、ヴィラン達の逃げ道は全て塞がれていた。
俺とあなた、そして海上自衛隊の隊員たち。
完全に包囲網が完成する。
俺の眉間に皺が寄る。
やっぱり狙いはあなたか。
ヴィラン達が一斉に地面を蹴った。
俺たちも同時に動いた。
洞窟の広場に、爆発音と水流の音が響き渡る。













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。