披露宴は、あっという間に終わった。
たくさんの人に祝福され、たくさん笑って、少し泣いて。
気づけば、すっかり夜になっていた。
私たちは式場近くのホテルへ向かった。
部屋に入ると、私は大きく息を吐く。
勝己もソファに腰を下ろす。
ふと左手を見る。
そこには、今日からずっと身につける指輪。
私の左手にも、同じ指輪が光っている
そう言って指輪を眺める。
一気に顔が熱くなる。
勝己は私の顔を見て――
ニヤッ。
楽しそうに笑った。
私は恥ずかしくなって顔を背ける。
そんな私を見て、勝己は少しだけ優しい表情になった。
私は小さく頷いて、着替えを手に取った。
部屋を出る前に、もう一度左手を見る。
ゆっくりと脱衣所へ向かった。
扉が閉まる寸前に振り返った。
私はそう言って、脱衣所の扉を閉めた。
残された俺はソファに座ったまま、自分の左手を眺める。
指輪を親指で軽くなぞる。
そして小さく笑った。
そして俺は時計をチラッと見た。
長かった今日が、静かに終わろうとしていた……?













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。