アラスターという人は私の言葉を聞いて絶句したように固まる。でも笑顔は崩していない。不思議な顔だ。
まぁ、食人は一般的なものではないだろうから、その反応も普通かもしれない。
でも人を殺してる人にそんな顔されるのはなぁ…
ということで、なぜか私はこの人に料理を振る舞うことになってしまった。
なんで…1人で食べたかったのに…
なんなのこの人。今まで食人をしたがる人なんて見たことなかった。
他のスラムで生きてる人でも食人については顔を顰めるのに。
それなのに、こんなまともな見た目をした人が食べてみたいなんて…
…綺麗な服装、整えられた髪。見ただけでわかる。この人はお金を持ってる。
いいな、いいなぁ。とっても羨ましい。きっとまともな生活を送れているんだ。
それなのに、この人は血で手を染めている。
どうしてなんだろう…聞こうとも思わないけど…さっさと帰って欲しいし…
脚の脛は私のお気に入りなんだけどなぁ…
…そうだ、少し遊んでみよう。こんなタイミングですることじゃないだろうけど。
この前街に出た時、レストランで他の人が食べてたやつみたいに……
足を輪切りにして、いつもより少し焼く時間を減らす。
頭蓋を叩き割って取り出した脳みその一部を付け合わせにして、すり潰した骨を粉チーズみたいにかける。血をソースがわりに垂らしたら完成。
なんかそこらへんで売ってそうなステーキもどき。
彼はそこらへんで拾ってきたカトラリーを丁寧な所作で扱う。
富裕層の人間なのだろうか?肉も生焼けが好きらしいし、贅沢してるのかな。
…私の作る料理って緑が少ないな……そこら辺の食べれる草を合わせてみるのもいいかな…
うっそでしょ……なんでこんな素人の人肉料理を気にいるの…
今断ったら脅されたり殺されたりするかも…身の安全のためにも、ここは了承しとくか……












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。