第23話

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2025/10/30 09:30 更新
あなた
どど…ど、どちら様でしょーか?
??
あなたこそどちら様でしょうか?
あなた
え、えっと、あなたです、スラムで、生きてます…
アラスター
そうですか!私はアラスター。そちらの男性を殺した人です!
あなた
そ、そうなんですか……あの、このお肉、どうするんですか…?い、いらないなら、私が食べちゃっても…?
アラスター
………………
アラスターという人は私の言葉を聞いて絶句したように固まる。でも笑顔は崩していない。不思議な顔だ。

まぁ、食人は一般的なものではないだろうから、その反応も普通かもしれない。

でも人を殺してる人にそんな顔されるのはなぁ…
アラスター
あなた、人を食べるんですか?
あなた
えぁっ、だ、だって、貴重な食糧でしょう?血も飲めるし、お肉も食べれるし、骨も齧れるし…内臓はちょっと、苦い、ですけど…
アラスター
…興味深いですね…!ぜひお食事をご一緒させていただきたい!
あなた
はいっ!?!?






ということで、なぜか私はこの人に料理を振る舞うことになってしまった。

なんで…1人で食べたかったのに…
あなた
…あの、本当にただ焼いただけ、ですけど…
アラスター
それでいいのですよ!まずは素材の味を楽しまなくては!
なんなのこの人。今まで食人をしたがる人なんて見たことなかった。

他のスラムで生きてる人でも食人については顔を顰めるのに。

それなのに、こんなまともな見た目をした人が食べてみたいなんて…

…綺麗な服装、整えられた髪。見ただけでわかる。この人はお金を持ってる。

いいな、いいなぁ。とっても羨ましい。きっとまともな生活を送れているんだ。

それなのに、この人は血で手を染めている。

どうしてなんだろう…聞こうとも思わないけど…さっさと帰って欲しいし…
あなた
……えっと、どうぞ…
アラスター
ありがとうございます!ではさっそく……hmm…脂っこいですねぇ。これはどの部位の肉でしょうか?
あなた
お腹、です…腰回りは、脂が多くて……この死体で、脂が少ないところなら、脚の脛あたり、とか…?えっと…た、食べます…?
アラスター
ぜひお願いします!
あなた
は、い……
脚の脛は私のお気に入りなんだけどなぁ…

…そうだ、少し遊んでみよう。こんなタイミングですることじゃないだろうけど。

この前街に出た時、レストランで他の人が食べてたやつみたいに……

足を輪切りにして、いつもより少し焼く時間を減らす。

頭蓋を叩き割って取り出した脳みその一部を付け合わせにして、すり潰した骨を粉チーズみたいにかける。血をソースがわりに垂らしたら完成。

なんかそこらへんで売ってそうなステーキもどき。
あなた
…どうぞ……
アラスター
おや!ミディアムレアですね!焼き加減のチョイスが素晴らしい!
あなた
骨は取ってないので、そのまま…パリパリしてて、美味しいので…
彼はそこらへんで拾ってきたカトラリーを丁寧な所作で扱う。

富裕層の人間なのだろうか?肉も生焼けが好きらしいし、贅沢してるのかな。

…私の作る料理って緑が少ないな……そこら辺の食べれる草を合わせてみるのもいいかな…








アラスター
ご馳走様です。とても素晴らしい料理でした!またいただきに来ても?
あなた
え"、あ、いや、えっ……
うっそでしょ……なんでこんな素人の人肉料理を気にいるの…

今断ったら脅されたり殺されたりするかも…身の安全のためにも、ここは了承しとくか……
あなた
た、たまに、なら…どうぞ……
アラスター
ありがとうございます!それではまた後日!

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