第30話

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2025/11/09 04:17 更新
あなた
アルっ…アル…!!
アラスター
………ハァ…いい加減、私も逃げるのをやめるべきですね
色々とやることを終えて時間はすっかり夜。

いいかげん我慢がならずアルのことを急かせば、そう言って服を捲った腕を差し出してくる。
あなた
…………いただきまぁす
彼の細い腕に牙を立て、突き刺し、傷口から流れる血を啜る。

口の中いっぱいに広がる鉄の味。









あなた
……………………?
アラスター
…………あなた?
あなた
……………………
美味しい。確かに美味しい。

血の味に混じる少しの苦味。アルの味。ちゃんと舌が記憶した。

でも、なんだ、これ。

どこかで飲んだことがある。




ハスクの血と似てる。

ニフティの血と似てる。

エンジェルサンの血と似てる。

鉄の味に混じる、鉛のような味。

この3人の、共通点、は…………




















あなた
誰と契約したの
アラスター
ッ…!!
どうして?どうして私は疑わなかった?

地獄に堕ちてから再開した彼が、当たり前のように魔術を使っていたことをどうして疑わなかった?

自分の頭の悪さに嫌気がさす。


血と魔術、魂。この3つは繋がりがある。

魔術に血を使うのも、魂を捧げるのも、よく言う話。

私は悪魔になってから、血の味が判別できた。

その血が誰のものなのか、微かな違いを知れた。

だからわかる。


魂を縛られている悪魔は、鉛の味がする。
あなた
言って。ねぇ、アル。誰と契約をしたのか。どんな経緯で契約することになったのか。どうしてアルからずっと血の匂いがするのか。どうしてステッキを無理やり直してあるのか。聞かれるのは嫌だろうと思って我慢してたけど、気になって仕方がなくなっちゃった。だから、全部、言って














あなた
……うん、わかった。ありがとう
アラスター
ハァ…………あなたの怒った声には、正直なところ足がすくみますね
生前でも一度だけ本気で怒ったことがある。

アルが大きな傷を負って帰ってきた日。

死にそうな出血量なのに、いつもの笑顔でヘラヘラと笑ってた。

怒った。本気で。その時言ったことを覚えてないぐらい怒った。
アラスター
……ひとつ、気になることが。あなたはどうやって血を操る魔術を覚えたんですか?私のように契約でも?
あなた
…うん。他の上級悪魔と契約して、魔術を教えてもらったの。その後に殺したけど
アラスター
…………待ってください本当に契約してたんですか?ジョークのつもりだったのですが
あなた
あ、はは…まぁ、図星だから…でもその後にそいつは殺したよ。契約内容に「契約主を殺してはならない」なんてなかったもの。与えた対価も魂じゃなかったし
アラスター
何を対価に?
あなた
言われたお願いをなんでも3つこなす…っていうやつ。2つは殺しの依頼で、あとひとつは…






あなた
私のファーストキス

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