...気が付くと、夕方になっていた。
俺には、じんたんの動きが若干ぎこちないように見えたが、あまり気にしないことにした。
...きっと疲れてたんだろう。俺もヘトヘトだ
するとじんたんは半ば倒れ込むようにして、自分に抱きついてきた。
...でも、不思議と悪い気分ではなかった...。
...それから俺は、2人と別れの挨拶を交わし、部屋に戻って軽い部屋掃除を始めた。
...数年ぶりに心からそう思えた。
明日からまた地獄の5日間が始まる...。
じんたんが学校に来るかは分からないし、連中のいる学校へ行くのは当然嫌だった...がもう奴らの奴隷になんかならない。
彼らもまた正義を理解する可能性を秘めた存在...
俺は、彼らを改心させる事を絶対諦めないと心に決めた。
...せめて、じんたんに笑われないように...。
そして、机の上の書きかけだった薄っぺらな「遺書」を、「こんなものはもう必要ない」と破り捨てた。
__帰り道...
そろそろ我慢の限界...早く注射を...
今日はこれで何本目なのだろうか...
日に日に...着実に使用量が増えていってる...。
゛おまけ゛付きの咳も、だんだん゛おまけ゛の量が増えていってる...。
テオくんにはまだ悟られてないみたいだけど...
いちいちトイレに行く俺を見ていたら...
いつこの作戦に気づかれちゃうか分かんないね...。
ゴボッ!!
それから、幾度と注射器を腕に刺すも、気分はあまり良くならなかった...。
そうか...もうすぐか...もうすぐ、俺の作戦は終わりを迎えるんだ...
俺は、このゲームには絶対に負けられない...
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そろそろ次回予告...。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。