Chapter3-2
先ほど「なぜこんなことするのか」と潤ませたまなざしで
問いかけられ、衝動的に、一方的に述べてしまったのを反省する。
それは、貴女が好きだから の一言で済む話なのだが、
現実、言葉だけで満足していないのが現状である。
そもそも、言葉だけであなたが僕のものになってくれるとは思えない。
それほどあなたが、手の中に納まってくれるような隙がない。
周りの人間からの信頼と人気といい、
誰にでも優しいところを見ていると勘違いをさせるには十分で
実際、一期生からも同期も後輩も、男女問わずに彼女は人気なのだ。
そんなことも気づいていない彼女は
手の平からするりと舞っていくれる羽のようだ。
彼女の前では冷静に冷淡、淡々とした態度になる。
そのせいで怖がられているのも気づいてているのだが…
僕は本当に、心の底から…
僕のことだけ、僕に、僕を、僕だけを
僕は…
いつの間にかすやすやと眠っていた彼女を見つめる。
あなたの笑顔を見れるだけで、
こんなにも心が癒される。
あの笑顔も、この寝顔も、悲しんだ顔も
どんな表情も、全部僕の物に……なってくれたら、なんて。
綺麗な寝顔にすっと頬を撫でる。














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。