前の話
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奏side。
…最近良く、“酷いこと”を言われるようになった。
今までも少しはあったけれど、そこまで気にしていなかった。
今は、まふゆを救うために曲を作っているから。
他の声は“参考”程度にして重くは受け止めなかった。
だけど…
ピロンという通知音が鳴り、私は恐怖で軽く身震いする。
通知音の正体を確めて、そう呟く。
そこには…
【あなたの曲は誰も救えない。】【不安になる。】【気持ち悪い。】【歌詞は良いのにメロディーが邪魔してる。】【いらない。】【他の人たちに迷惑。】
【…あなたがいるから苦しくなる。】
数々の悪口。
分かってる。
全て私の力不足なんだってことぐらい。
でも…この曲は…
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まふゆが、そう言ってくれた曲。
絵名や瑞希、ミク達も…褒めてくれた曲。
…なんで、?
不安と恐怖で汗と涙が滲む。
ただのお世辞…?
そんなのっ…!
…いや、駄目。
こんなこと考えたら…
信じなきゃ…救わなきゃ…
まふゆを、救わなきゃ…。
その決意と共にもう一度通知音が鳴る。
それは…
【まふゆのお母さん】からのメールだった。
…私はゆっくりとそのメールを、
“虚ろな目”で読んだ。
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『引く手、離せ。』
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!