みぞれさんがクッキーを頬張りながら尋ねる。
中3の時はすぐに部活は引退になってしまったから忘れていたけど、高校生になるということは必然的に新しい部活に入る必要があるのだ。
しかし、話を振られた本人はどこか他人事でいつの間にか持ってきていたポテチを食べる。
私はスポーツの推薦なわけでもないし、帰宅部に入ってゲームでもしようかと思いながらみぞれさんに尋ねる。
もしみぞれさんも帰宅部になるつもりなら一緒にゲームができるかもしれない。
まさかめめ村からイラスト推薦で高校に入学する人がいると思っていなかったから、思わずみぞれさんの言っていたことを繰り返してしまう。
みぞれさんの絵を思い出してみるが、確かに可愛いミニキャラのような絵は上手い部類に入るだろう。
そうやって雑談をしているとディスコードの通知がなる。
このくらいの時間帯に通知が来るのは珍しいな、なんて思いながら内容を開く。
内容を見て、思わず声がこぼれる。
みぞれさんと八幡さんも同じ内容のものを見ていたようで、3人で目を合わせる。
送り主はめめさん。
内容は、ロビーに降りてこいというもの。
何があって、どこのロビーに行けばいいのか普通ならわからないだろう。
しかし、この状況で送られてきた内容だと寮の1階、男女の共有スペースであるロビーのことを指しているとしか思えない。
当然寮内は関係者以外立ち入り禁止。
めめさんがここのロビーのことを指しているんだとしたらめめさんはここの関係者ということになるけど…
そう、それだとしたらメンバー全員にそのことを伝える必要がないのだ。
めめさんのことだからそんな致命的なミスはしないだろうし、何かの冗談か、ゲーム内での話だとは思う。
思うが、さっきから誰も返信していないのが唯一の気がかりだ。
そんなふうに言いながら八幡さんはすでにロビーへ行く準備をしている。
確かに、行くだけ行って様子をみればいい。
明らかに不審な人がいたらその人がめめさんということになるし。
めめさんは本当にロビーにいるのか。
推薦の連絡がきたときはまさかこんなことになるなんて思いもしなかった。
だけど、この状況を楽しんでいる自分がいる。

















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!