入学式も終わり、教科書を配られた後に各自帰宅になる。
他の人が全員教室から出たのを確認して、みぞれもんにDiscordで私の部屋の番号を送る。
聞きたいことはたくさんあるし、個人的な用事もある。
そうなったら何よりも部屋に来てもらうのが手っ取り早い。
まぁ私の部屋は最上階の1番端だからくるのは相当大変だろうけど。
教科書などの片付けも終わり、なかなか綺麗に整頓された部屋を満足気に眺めているとドアがノックされる。
大方みぞれもんだろうと特になんの警戒もなくドアを開ける。
するとみぞれもんの隣に立っていたのはレイラーさん。
2人の言い方的にすでにこっちの正体はバレてるようだし、説明の手間が省けたことにして2人を中へ入るように促す。
こっちから誘ったのに何も出さないのは申し訳ないと思い、申し訳程度に部屋にあったお菓子を差し出す。
めめ村の中でも常人的なポジションの2人はお礼を言いながらクッキーを口にする。
みぞれもんの言いたいことはなんとなくわかる。
このまま知り合いや友達といった雰囲気で学校でも接し続けるのか、それとも各々別の友好関係を築き、あくまでクラスメイトという体で接するのか。
前者は学校で孤立するリスクが減るし、個人的にはそっちの方がいいが、1人の正体がバレたら共倒れになってしまう可能性がある。
そもそも活動名に近しい(私に至っては全く同じ)名前なのに一緒に行動することのリスクが高い。
自分で言うのが悲しくなり、言葉を少し濁す。
マイペースな性格のため中々友達付き合いが苦手なのだ。
それに中学の時も部活に専念していたから友好関係は薄かった。
高校でも同じく部活に専念するつもりだし、中学の時の二の舞になることは明らかだ。
レイラーさんも私と同じように言葉を濁す。
と言うわけで、最後の決断はみぞれもんに委ねられてしまった。
最後の補足は自虐になってる気もしたが、否定することもできない。
実際アモアスの会議でも沈黙を貫いていても気づかれなかったことがあるし、いつも知らぬ間にキルされているイメージがある。
否、ここにいる全員は積極的に会議で発言するような性格をしているわけでもないのだが。

















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。