後ろから聞こえてきた会話に笑いを堪える。
他の人はちゃんと先生の話を聞いているだろうから聞こえてないと思うけどこんな大人数がいる場所で堂々と活動名で話ができるのは身バレを考えないこの2人でしかできないだろう。
同じグループの実況者3人が同じ高校に集まる確率。
私には想像もつかないが、きっと限りなく0に近い確率だろう。
そのまま自己紹介をする流れに移行する。
廊下側の1番前から順番に自己紹介をするらしい。
私の席は1番廊下側の前から3番目…後ろから2番目だから順番も必然的に早くなる。
自分の番も速攻で終わったため、後ろの2人の自己紹介に聞き耳を立てる。
東雲さんに至っては代理の名前と本名がほぼ同じだし、身バレの可能性とか考えたことがないのだろうか…
その後も自己紹介は続いたが、後ろの2人は小声で会話を続けている。
他の人が自己紹介をしているのもあって、さっきよりも話している内容が聞き取りづらい。
諦めて、クラスの人の自己紹介をきちんと聞こうとする。
すると後ろから東雲さんの大声が聞こえてくる。
音成さんは音楽関係者からしたら超有名人。
耳コピからの即演奏ができると噂のピアニスト。
当然、両親が音楽関係の仕事についている私も知っている。
そんなふうに考えていると自己紹介を遮って大声を出した東雲さんが注意されていた。
初日から遅刻未遂に先生に注意までされている…
東雲さんの高校生活が心配になってきたわね。
そのまま自己紹介は続くが、相変わらず2人は話している。
さっきからずっと聞き耳を立てているからそう疑われたとしたら否定のしようがない。
しかし、今日同じ学校だったというのを知った上に本当にレイマリさんとガンマスさんなのかを確かめたかったから仕方がないと自分で自分に言い訳をする。
それにことねにそのことを教えるんだとしたら確信を持っていた方がいいから。


















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!