jp視点
俺だって最初は旅に行きたくなかったし…
でもこれだけは彼女の口から聞いておきたい
俺がそう言いかけるとのあさんが途中で声を上げた
no視点
昔、私には〝本当の″両親がいた
そう、今のお父さんは本当のお父さんじゃない
一昨年くらいに独りぼっちだった私のことを拾ってくれた
5歳くらいの頃、この時はまだ本当の両親と一緒にいた
そのとき私たち家族は商人として物を売っていた
そして、いろんな街に物を売るため住む場所を転々としていた
私は両親と一緒にいろんな街に行って物を売るのが大好きだった
こんな日がずっと続いたらな…そう思っていた
でも実際はそう上手くはいかない
私の人生が狂った日…その日は他の街へと行くため森の中を歩いていた
いつもは夜になる前に街に着くようにしていたんだけどこの日は出るのが遅くなって夜になっても街につかなかった
すると物陰からモンスターが飛び出してきた
お父さんとお母さんは私を逃がそうと囮になってくれた
その光景は今でも忘れられない
その時魔法は使えなかったから無我夢中で逃げて街に辿り着いた
そして私は児童施設に保護された
そして14歳の頃…
児童館にある男の人が来た
男の人はこれから旅に出るらしく、その仲間を探しに来たのだと
私はその頃魔法をある程度使うことができたので
と指名された
その頃の私は両親を亡くしたショックからこの先の人生どうでも良くてついて行っても行かなくてもどうでもよかったことと
他の子は小さく旅には出られないだろうと推測されたことが相まって
私が旅に出ることになった
そしてある日…
バギ
敵に風属性のダメージを与える呪文。風属性の魔法の中で一番ダメージ量が少ない
いつも通り魔法を使ってモンスターを倒していた
すると後ろからモンスターがこちらに向けて攻撃を仕掛けてきた
そのモンスターは今まで対峙したモンスターよりはるかに強くダメージを与えることすらままならなかった
ダダダダダダダダダダダダダダ💨
そう吐き捨てると男の人は1人で逃げてしまった
私を置いて…
そういってもあの男には届かない
私は裏切られてしまったのだ
幸いその時他の冒険者たちが近くを通りかかり、そのモンスターを倒して私のことを助けてくれた
そして近くの街で私の里親を探してもらってる時に話しかけてくれたのが今のお義父さんだった
私はその時命のありがたみともう一つ学んだことがあった
それは
いつ裏切られるかわからないと言うこと
jp視点
のあさんから聞いた話は思っていたより壮絶だった
小さい頃に両親を亡くしてその上、裏切られるなんて…
これは無理に旅についてきてもらうわけには行かないな…
そう言いながら俺はベッドにダイブした
明日からどうしようかなと瞼を閉じる
はずだった
キャァァーーーーーーーー!
遠くから女性の悲鳴が聞こえてきた
その悲鳴を聞いた瞬間、俺の村の光景が浮かんできた
あの、モンスターによって一晩で変わってしまった地獄絵図のような光景が
俺は急いで支度を済ませ宿から飛び出ると多くの人が慌て狂っていた
いろんな人が声を上げていて全然話を上手く聞き取れなかったが
一つだけはっきりと耳に飛び込んできた



















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。