次に目を開けるといたのは森の中だった。
あいつらの誰かがここにいるのは間違いないのだろうけどなぜ森なのか、そんな事を考えていると後ろから気配がしてすぐさま木陰に隠れる。
??「くっそ…ここもやっぱちゃうかったか…」
rd「…………zm…?」
木陰からこっそりと声の方を見ると他の人達と同じく成長したzmの姿がある。
服装的に仕事中では無いことが分かり、よりなぜ森の中にいるのか疑問になった
zm「今日久しぶりの休日だから試しにきてみたけどやっぱおるわけないよな……」
そう呟くとポケットをなにかゴソゴソと漁りだしひとつの丸く青いキャラクターのキーホルダーを取り出す。
rd「…………!!」
息を飲む。なぜzmがあれを持っているのか。あいつらは自分の事など忘れた…記憶を消されたはずなのに。
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教卓に頬杖をしながら目を輝かせて聞いてくる。
zm「なーなーいつもrdがつけてるそいつなんなん?」
rd「ん?これか?これはな俺の好きなキャラクターでならだおくんって言うんだあと、先生つけろ?w」
zm「え、rdじゃん。」
rd「そうなんだよーーらだお可愛いだろ?」
zm「先生は可愛くないけどこっちのらだおは可愛い」
rd「おいzmーーーーーー?????」
zm「wwwwwww」
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rd「まさか覚えて…………?」
そう頭で考えていると突然zmがまた独り言を話し始める
zm「夢でみたあの青いやつ…ここに来たら会えると思ったけどさすがに夢の中の人間になんか会えるわけがないよな…………」
rd「夢…………」
悲しい横顔を見せる昔の生徒が目の前にいる。今すぐにでもあいつのところに走って抱きしめて「俺が夢の中のやつだよ」と言ってやりたい。けれども、それはまだ全員を見れていないため出来なかった。
悔しさに拳を握りしめ下を向くとまたあの光がで始める。
バッと勢いよくzmの方を見る。
このままこの世に存在しないはずの人間を探して欲しくない。その気持ちから最後にひとつ言葉をもらす
「ありがとうな」
そして自分の体を眩しい光が包み込みまた目をつぶった。
zm「……今の声…………………………」
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次に目を覚ますとそこは懐かしい匂いがする。かつて自分がいたアイツらと過ごした小学校の教室だった。そして、教卓にはひとり突っ伏して寝ている先生と思わしき人物が見えた。
寝ているその人に近づくと2つのことに気づく。1つ目は寝ていた教師がrbrであること。
2つ目は自分の目線が教卓より少し上、つまり自分の身長がかなり縮んでいるということに気づく。
rd「え?!俺身長が縮んで……まさか…」
今思い返せば初めのtntnの時も視点がかなり低くなっていた。そして気づく、あいつ(呪い)が言っていた3つ目の条件は『自分の姿が子供になる』ということだったようだ。
rd(通りで隠れても気づかれなかったわけだ……w)
自分の状態に今更気づき少し笑ってしまう。
だがそれ以上に目の前の昔の生徒に会えた事の方が自分には重要だった。
rd「夢……叶ったんだな…」
そう呟いてからもう本人に届くなんて思っていなかった元生徒の名前を口に出す
rd「rbt…」
名前を呼ぶと寝ているrbrが少し呻き始める。
起こしてしまったか?!と焦るが次の瞬間ピタッと体が固まる。
rbrの目から涙がこぼれたのだ。
そしてとても小さい声で「せ…んせ…い…」と
呟いている。
rd「最後の1人なんだ…これくらい許せよ…」
ひとつ大きな深呼吸をしてからrbrの名前を呼び、起こし始める。だが、今自分は見た目が子供なら自分はrd先生ではなく生徒として振舞った方が良いと考え途中から
rd「天乃先生」
と言い方を変えてみる。
どうか最後にこいつとだけは話させてください。まだ…俺を連れていかないでください。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!