第18話

七話/誰かの釘
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2026/05/31 01:28 更新






雑談をしながら訓練場までの道のりを歩く。

高めの声と明るい声で、笑いながら話す少女達。

時折、何の前ぶりもなく振られる質問に
文脈から丁寧に言葉を選ぶ。






あぁ、すごく、






ルビー
ルビー
(めんど………)




でも、仕方ない。


ダルヴァは強い。
翠はライナに好かれている。


仲良くしておいて損はないからと、
ついていくのを決めたのは自分だ。


人と馴れ合うのは好きじゃないが
交流も仕事だと思えば、何ともない。



ルビー
ルビー
(……いやまぁ、
 何ともないは嘘やけど……)
ルビー
ルビー
(……はよ訓練場つかんかなぁ。)



ニコニコと笑いながら二人の後を歩く。
自分が話を振らなくても
情報が落ちてくる点では便利だ。



美味しいカフェの話だとか
可愛い猫の話だとか

そんなくだらない情報から一変
少し興味深い話も聞こえてくる。


ダイアモンド
ダイアモンド
そう言えばさぁ、
最近ボス見てないね〜。
アクアマリン
アクアマリン
あー、確かにそう言えば…。
この屋敷にいるらしいですけど……
ダイアモンド
ダイアモンド
今幹部12人とケルン家だけが
全員ここにいるんだけど……。
まぁ、あのボスだしなぁ



寡黙で高圧的で孤高な人。


アハトそっくりなボスを思い浮かべて
シリスは勝手に納得する。


ルビー
ルビー
部下…ってか
構成員たちはおらんの?
ダイアモンド
ダイアモンド
うん。みーんな出払ってる。



あまり興味はなかったが

いつか、雑談の一環として
聞いてみようと思っていたことがあったんだった。


それを思い出して、シルスはダルヴァ達に聞く。



ルビー
ルビー
そういや、さぁ
ライナのママさんってどこなん?
見たことも聞いたこともないけど。
ダイアモンド
ダイアモンド
えー、ボクも知らなーい。
ダイアモンド
ダイアモンド
ボクとシリスさんは同期じゃん。
シリスさんが知らないこと
ボクが知るはずなくない?

アクアマリン
アクアマリン
死んだのか、逃げたのか
そもそも誰かわからないのか……



なんだ、残念。

心の中で落胆のため息をつくシルス。


ダイアモンド
ダイアモンド
……なんにせよ、シルスはさ、



ふと、歩みを止めて
自分の目をジッと見つめる少女に
シルスはつられて足を止める。


ダイアモンド
ダイアモンド
ライナに直接聞かないでね。
 

ルビー
ルビー
勿論分かっとるで。


へらり。

笑顔を顔に貼っつけて、ダルヴァに返事をする。


なかなかに勘のいい子だ。




ルビー
ルビー
(あーあ。釘刺されてもうたわぁ)




まぁいいか。どうせ大して興味もなかったし。


目的は情報じゃなくて、戦闘訓練。

ロボットでは賄いきれない、
人間臭さ対策に来てるんだから

あの小娘の母親情報なんてどうでもいいか。




ルビー
ルビー
(……あー、でも、あのボスの
 弱点探しにはなったのかも…?)



そう考えたら、少し惜しい気がしてきた。



…ま、ボスと対立する日なんて来ない(予定だ)し

やっぱりいらない情報か。









シルスは頭の中で結論を出し
後は黙ってダルヴァと翠についていった。












心の声多めですね。




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