第5話

【 四 】
236
2026/03/26 13:00 更新




  四ノ宮キコル sitenn




 最近 あなた がおかしい 。
 
 どこか私..を避けているような気がする 。
 
 お昼だって一緒に食べてくれないし 、
 
 トレーニングにだって付き合ってくれない 。
 
 前までずーっとニコニコしていたのに 、時々怖いくらい真顔になるし 、
 
 何より…前と比べてやつれているようにも見えた 。




キコル
 ……ほんと 、どうしたのかしら 。 
 
日比野 カフカ
 何かあったのか? 




 そんな独り言を呟いていると 、
 
 背後から 日比野カフカ に声をかけられた 。




キコル
  あなた のことよ 、 
 
キコル
 なんか最近…元気がないじゃない? 
 
市川 レノ
 まあ…確かにな 、 




  日比野カフカ の背後から レノ が顔を出す 。




日比野 カフカ
 疲れてるだけじゃないか? 
 
日比野 カフカ
 今はそっとしといた方が… 
 
キコル
 バカね 、私たちと同じ環境で 
暮らしているのに 、
やつれるとかもはや病気よ 。




 そう言い放ち 、キッと睨みつけると 、
 
  日比野カフカ はバツが悪そうに肩をすくめる 。
 
 すると 、 レノ が私に質問してきた 。




市川 レノ
 …そういえば 、 四ノ宮 って 
あなた と同じ部屋だよな 。
 
キコル
 ええ 、そうだけど…… 




 今その話をして何になるのかしら 。
 
 私がそう疑問に思い 、首を傾げると 、
 
  レノ は真剣な表情で話を続けた 。




市川 レノ
 …分かる範囲でいいんだけど 、 
 
市川 レノ
  あなた ってちゃんと寝てる? 




 「  あなた ってちゃんと寝てる? 」
 
  レノ から言われた言葉を 、心の中で唱える 。
 
 あまり考えた事がない 。
 
 それでも 、下の段で.....眠る あなた を見たことがなかった 。




キコル
 分からないわ 、 
 
キコル
 でも…… 
私が起きる前には既に起きている 。
 
日比野 カフカ
 寝る時はどうなんだ? 
 
キコル
 私は あなた が 
電気を消してくれる時は
既に布団に潜っているから何とも…
 
市川 レノ
 じゃあ…もしかしたら 
あなた は寝ていないかもしれない 。




 寝ていないとすると 、私を含めた隊員が寝静まった間に 、 あなた は一体何をしているの?
 
 そんな疑問が頭に浮かんだ直後 、
 
 ハッとあることを思い出す 。




キコル
 そういえば…1度だけ 
眠った あなた を見たことがあるわ 。
 
市川 レノ
 いつ? 
 
キコル
 確か…入隊して2週間くらいの頃よ 。 




 その日は珍しくいつもより早く起きれた朝だった 。




キコル
 朝起きたら あなた が 
ベッドの上で座ってて 、
 
キコル
 呼吸から寝ているっていうのは 
すぐに分かったの 。
 
キコル
 なのに… 
サングラスを着けたままだった 。
 
市川 レノ
 サングラスを……? 
 
日比野 カフカ
 なんでだ…? 
 
キコル
 詳しいことは分からないわ 。 
 
キコル
 でも 、流石にそれで 
怪我でもしたら大変じゃない?
 
キコル
 だから 、 
私外してあげようと思ったのよ 。
 
キコル
 手を伸ばしてサングラスに 
振れるか振れないかのところで…



















天乃あまの あなた
『 ___何してるの 。』



















キコル
 …目を覚ました 
あなた に腕を掴まれたわ 。




 私も あなた も悪意は無かったはず 。
 
  あなた はその後 、何事も無かったかのように振る舞っていた 。
 
 私だって深く考えないようにしていたし 、ちょっと反省もしている 。
 
 ……でも 、
 
 サングラス越しに見えた あなた の眼差しは 、今でも忘れられない 。




キコル
 何かを恐れているようにも見えた 。 
 
キコル
 私がわかるのは 、 
あなた にとってあのサングラスは
肌身離せないということだけよ 。
 
市川 レノ
 …何か目に障害でもあるのかな 、 
 
日比野 カフカ
 光に弱いとか? 
 
キコル
 あるいは…色盲とかね 。 




 色んな憶測が飛び交う中 、
 
 インカムから 亜白 隊長の声が聞こえてきた 。




亜白 ミナ
『 基地内にいる全隊員に告ぐ 。』
 
亜白 ミナ
『 至急討伐スーツを 
 着用し 、演習場に集まれ 。』
 
亜白 ミナ
『 以上だ 。』




 短い言葉でも 、重い内容 。
 
 それがひしと伝わり 、私は2人に声をかけるまでもなく駆け足で移動し始める 。




市川 レノ
 どうしたんですかね? 
 
日比野 カフカ
 生け捕りの怪獣が 
暴れたとかかもしれないな 。
 
キコル
 だとしたら先に言うわよ 。 




 2人も私を追いかけるように走り出していた 。
 
 私が 日比野カフカ の言葉に難癖をつけると 、
 
  日比野カフカ が何か思い出したように口を開いた 。




日比野 カフカ
 …そういや___ 



















日比野 カフカ
  あなた はどこだ? 




 ___この時の私たちは 、数十分後に起こる出来事をまだ知らない 。




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